REG/SUM キーパーソンに聞く

クラウドで契約書作成 「取引の紛争なくす」 リグシー代表取締役CEO・弁護士 笹原健太氏に聞く

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 日本経済新聞社は12月20~21日、「レグテック(規制とテクノロジーの融合)」をテーマにしたグローバルイベント「REG/SUM(レグサム)」(=RegTech Summit)を実施する。開催に先立ち、参加企業・団体のキーパーソンに注目テーマや最新動向などを聞いた。リグシー(東京・港)の代表取締役CEOで弁護士の笹原健太氏は、企業が契約書を手軽に作れるクラウドサービスを提供し、取引を巡る紛争をなくすという志の実現を目指す。

承認・締結もペーパーレスで

 リグシーの「Holmes(ホームズ)」は、契約書の作成・承認・締結・管理を一貫して支援するサービスだ。利用者はクラウド上に用意された300種類あまりの雛型(ひながた)のなかから案件に合った書式を選び、社名や取引内容を入力して契約書データを作成・保存する。ネット上の保存場所を示すURLを社内の管理者や取引先企業にメールなどで知らせれば、契約書の承認・締結もペーパーレスで可能。出来上がった契約書はクラウド上に保管しておき、必要なときに検索・参照できる。

 「適切な契約書があれば紛争や裁判を防げる。ただ、契約書は作成自体が面倒だし、弁護士費用や社内の煩雑な手続きも、企業が契約書を作らない理由になっていた。だったら、とにかく簡単に契約書を作れるサービスを始めようと思った」(笹原氏)

 笹原氏は2010年に弁護士登録。2014年に独立して事務所を構えた後、2017年3月にリグシーを設立した。8月に提供を開始したホームズには、笹原氏が弁護士として契約書を作成・チェックしていたときに「ここは時間がかかる、ここはミスを生みやすい」と気付いた点が生かされている。

 すべての機能が使えるプランの料金は、1ユーザーあたり月額3980円(税別)。ユーザー数の多い企業の場合はボリュームディスカウントもある。個人事業主や小規模企業だけでなく、従業員1万人超の大企業からも問い合わせを受け、契約数は約800に達した。

 笹原氏は「法務部門があったり顧問弁護士がいたりする企業は、当初はホームズをあまり必要としないと思っていた。だが今は、一定以上の規模で契約の承認プロセスが複数部署にわたるような会社に一番ニーズがあるように感じている」と分析する。社内手続きの「判子リレー」に悲鳴を上げる企業の管理部門の目には、リーガルテック(法務とテクノロジーの融合)は業務効率化の有望なツールと映るようだ。

 ホームズの利用者は企業にとどまらない。笹原氏が重要なターゲットと目しているのが、弁護士をはじめとした士業に携わる人々だ。顧客企業が必要とする契約書をクラウド上で共有しながら作成・チェックすることで、作業を省力化するとともに、士業の業務価値を「見える化」する。

AI使い自動作成・チェック目指す

 契約書関連の支援サービスは他社も様々な観点から技術を競っている。電子契約システムでは、米ドキュサイン(サービス名も同じ)や弁護士ドットコム(東京・港)の「クラウドサイン」が先行する。契約書を含む文書管理サービスは、大手システムインテグレーターなどがしのぎを削る。ホームズは契約書の作成から管理までの一貫サービスが特徴。ただ、クラウドサインも契約書雛型の提供を行うなど各社が機能を付加するなかで、顧客層拡大には独自の強みを磨き続ける努力が不可欠だ。

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