FIN/SUM WEEK 2017 レビュー

「困難を乗り越えようとすることが考える力になる」 FIN/SUM WEEK 2017 アイデア・キャンプ 日経特別賞受賞者に聞く

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北澤 今回の皆さんのプレゼンを聞いて、若い世代は自分の専門や理系・文系にこだわらない姿勢を強く感じました。プログラミングはどうやって勉強しているのですか。

佐藤 インターネットの普及で、プログラミングなどは専門の学校で学ばなくても自分だけで勉強できます。やる気さえあれば、かなりの部分まで可能です。

何をするか、困難があるだけ発想は無限に広がる

北澤 「FIN/SUM WEEK 2017」は、日本の中心である東京・丸の内をあたかも貸し切りにしたかのような大きなイベントです。何を感じましたか。

「今回の皆さんのプレゼンを聞いて、若い世代は自分の専門や理系・文系にこだわらない姿勢を強く感じました」(北澤氏)

「今回の皆さんのプレゼンを聞いて、若い世代は自分の専門や理系・文系にこだわらない姿勢を強く感じました」(北澤氏)

ゴンザレス いろいろな人に出会える楽しいイベントです。アイデア・キャンプで競った東京大学の「大橋鳥海研究室」チームのプレゼンにも感心しました。電子マネーを使った寄付という発想は非常にシンプルなのですが、とても効果的です。フィンテックというと地方の人たちは難しいと考えがちですが、このアイデアならば地方の人たちにも受け入れられます。

 フィリピンは日本に比べて金融インフラが未整備なため、フィンテック自体が盛んとは言えないのですが、ブロックチェーン技術を使った「デジタルワレット(電子的な財布)」という技術が普及し始めています。コンビニ決済に「デジタルワレット」を使ったり、スマホの中でワレットをビットコインに替えたりすることもできます。フィリピンの人たちはとにかく考え方がポジティブなので、フィンテックだけでなく、何でもスタートアップ的に事業化するのが人気です。

北澤 フィンテックは高度で便利な金融技術を専門家だけでなく、誰でも使えるようにするのが重要です。スマホが使えない高齢者であっても、コンビニのレジで新しい金融サービスを便利に使えるようにならなければなりません。

日本で仕事をしたい、問題にこそチャンスがある

北澤 チームの皆さんは将来をどう考えていますか。

ゴンザレス 大学を卒業したら、日本語を勉強して日本で働きたいです。フィンテックで日本の将来に貢献したいと考えています。

佐藤 私も卒業したら日本に帰って来たいと思っています。でも会社に就職するのではなく、自分で創業したい。今回のFIN/SUMでいろいろな人に会った際に「日本では創業の機会が少なく、スタートアップを支援する環境もまだ整っていない」とアドバイスされたのですが、まだ誰もしていないことをやりたいと強く思っています。

 日本は人口減や農業の就業者減少など問題を抱えていますが、そこにチャンスがあると思うのです。「Be Safe」は公的保証の側面があるので、移民のためのローン審査にも利用できるのです。移民だけでなく、パスポートを持てない難民の人たちにも適応できます。さらに、「Be Safe」で紹介された仕事で得た給料を、「Be Safe」の中のデジタルコインでもらうことができる。使い方はいろいろとあります。発想がどんどん広がっていきます。

インタビューを終えて

インタビューを終えて

北澤 フィンテックが目指す大きな目的の1つは国境のない世界です。人の流れが国境を越えてもっと自由になるために、ビザをブロックチェーン化する考え方は、そうした目的の方向にも非常に合致していると感じます。最後に、日本の学生にアドバイスはありますか。

佐藤 私が尊敬するテスラ・モーターズ会長兼CEOのイーロン・マスク氏のように、若い頃からいろいろなことに挑戦したい。日本の学生は「創業はリスクが大きい」と尻込みする雰囲気があるそうですが、若いからこそリスクはないと思うのです。

 日本は世界に比べて社会が便利すぎて気付かないのかもしれませんが、海外では目の前に困難がたくさんあり、それを乗り越えようとすることが積極的に考える力になります。増え続ける高齢者問題もフィンテックが解決の糸口になるかもしれません。

 フィリピンでは祖父母を含めた家族ビジネスがとても盛んで、高齢者はみんな積極的です。フィンテックで高齢者が輝くために何が必要なのかを考えるだけでも、チャンスはたくさんあると思っています。

<div Align="right">(日本経済新聞社 FIN/SUM事務局)</div>キーワード:経営層、管理職、経営、企画、フィンテック, イノベーション

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