ビシネス活用が進むVR

加速するビジネスでのVR活用、今知りたい注意点

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 第2のポイントは、VR向けのコンテンツを制作するツールなどが整備されてきたことである。VRでは前後・上下・左右など全方向の動画や画像をユーザーが見ることができるように「360度動画・画像」をカメラで撮影したり、CG(コンピューターグラフィックス)で生成したりする必要がある。そのためのカメラやCG制作・編集ソフトウエアといったツールが増えてきた。

 制作した360度動画・画像を配信することも容易になっている。武井氏は「VRの製品メーカーなどがVRコンテンツをインターネット経由で配信するプラットフォームを展開しています。そうした配信プラットフォームを含めて、コンテンツ制作のためのエコシステムが整ってきていると感じます」と話す。

ヘッドマウントディスプレーは不可欠ではない
 VRはHMDを利用する製品の価格低下によって急速に身近になっているが、HMDが不可欠なわけではない。頭部など、身体を動かすとあたかも本当に移動したかのように感じることができればよく、例えば、周囲360度をスクリーンで囲んで映像を投射し、ユーザーの動作を反映して映像が変化するようにするVR技術もある。1992年に米国イリノイ大学のElectronic Visualization Laboratoryが開発した「CAVE」などが知られる。

ビジネスにおける活用範囲は幅広い

 ビジネスにおけるVRの活用は、幅広い業務・領域で進んでいる。山岸氏は「VRの導入に向けたコンサルティングをしてほしいという要望が年々増えています」と語る。

 ビジネスでのVR活用例を以下の表に示す。ここでは「社内教育」「営業支援」「設計・解析」など8つの領域を取り上げた。VR製品を企業が自ら購入して社内で活用するタイプ、並びに企業が購入してその顧客(あるいは見込み顧客)に利用してもらうタイプをまとめている。

 最近、ニュースなどで目にする機会が増えているのが、旅行・観光、不動産売買・賃貸において、顧客や見込み顧客に、商品やサービスの情報をVRでリアルに体験してもらうことで営業支援を行う活用法である。

 例えば、旅行・観光業では、実際に観光地へ行ったかのような体験が店舗で可能になり、販促効果が期待できる。VR導入が話題になることで、店舗への集客力向上も期待される。不動産売買・賃貸業では戸建てやマンションなどの内見が店舗でできるようになる。実際の物件を物理的に訪問して、外観や中を見るより、移動の時間を大幅に短縮できる。

 社内教育では、教材の準備に時間やコストがかかる場合に、VRを活用する動きがある。「例えば、航空機の整備士を教育する際は、整備対象の航空機を物理的に用意する必要がありますが、VRを利用すれば時間や場所の制約が大幅に緩和されます」(山岸氏)

 災害時の対応訓練のように、VRでなければ実現しにくいものある。「災害は実際に起きるまで体験できません。災害時の訓練はVRのコンテンツとしてニーズにとてもマッチしています」(武井氏)

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