古川修の次世代自動車技術展望

自動車のIoT化、コネクテッドカーへの期待 芝浦工業大学 特任教授 古川 修 氏

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 これを、インフラ側のサーバーがその地域に集中しそうな多数の自動車の走行状況のビッグデータを解析して、個別の自動車の誘導を行うようにすれば、渋滞解消の効果は大きくなる。すなわち個別の最適化から全体の最適化への機能進化である。

 具体的には、速度低下によって渋滞の連鎖が起こるサグ地点(下り勾配から上り勾配に変化する道路地点)での走行速度維持の指示、合流点、交差点などへの自動車集中を避けるための空間的な交通分散や時間的な交通分散の指示などを、インフラ側から出すことだ。

 より上位概念の効率向上としては、カー・テレマティクスで社会とつながる情報を利用して単なる自動車の交通だけではなく、ほかの交通手段なども含めての移動全体の効率向上、さらには物流や人間の移動なども含めた社会の全体効率の向上にも枠組みが広がる可能性も出てきた。

 環境問題については、現在の内燃機関の燃料消費を交通全体で最小とするような、走行誘導が可能となる。また、充電スタンドや水素供給スタンドなどへの最適誘導をすることにより、自動車の電動化や燃料電池搭載の普及を促進させることにも貢献する。

自動車の情報化の進化に必要なHMI技術

 さて、今後のカー・テレマティクスの発展に伴って、ますます必要となるキーテクノロジーは何か。それは、新たなHMI技術である。

 自動車がどこにでもつながるコネクテッドカーとなったときには、外からの情報がいつでも種類を問わずに多量に、ドライバーへ提供することが考えられる。運転中のドライバーにとっては必要な情報もあるが、不要な情報も多量に提供されるわずらわしさが課題となってくる。

 それに対処するには、ドライバーへ提供する情報を本当に必要なものに絞るためのデータマイニング技術の開発が必要となる。しかし、それだけでは解決したことにはならない。絞られたデータをドライバーに分かりやすく提示するための新たな枠組みのHMIが必要となるはずだ。

 例えば、文字列を運転中のドライバーに読ませることは難しいし、それを音声に変換してもドライバーにとって分かりやすいとは限らない。外部の道路環境の情報であれば、それがドライバーから見てどの方向にあるかなどの視覚的な情報として提供することが有効となる。

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