古川修の次世代自動車技術展望

自動車のIoT化、コネクテッドカーへの期待 芝浦工業大学 特任教授 古川 修 氏

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AIを組み合わせて利便性・安全性が向上

 カー・テレマティクスの発展は、人工知能(AI)と組合せることによって、ドライバーの利便性をさらに大きく向上させると期待がかかる。具体的にイメージしてみよう。まずドライバーの個性や嗜好に適したように、自動車の仕様や特性などを変えることが可能となる。例えば、インパネのメーター表示系や操作系などをドライバーの好みに応じて変えることができるのだ。

 また、ゆったりと運転することが好きなドライバーにはゆったりした運動特性が、キビキビとした運転が好きであればキビキビした運動特性が、徐々に備わってくるのだ。あたかも乗馬を繰り返すたびに愛馬が乗り手と一体となっていくかのように、ドライバーは自動車を操れるようになるはずである。さらに、運転中に周囲の道路環境認識技術と合わせれば、ドライバーの意図に応じ、道路環境条件に適した様々な支援を得ることも可能となる。

 ところで、自動車の情報化と多機能化が進んできたマイナスの影響として、ドライバーは車載装置の色々な設定を行うわずらわしさが生じている。操作系や表示系、さらにはドアの開閉時やエンジン始動時の様々な自動機能など、多数の設定を変えられる自由度を自動車は持つようになったが、それらを、取り扱い説明書を見ながら操作することは非常に大変である。

 そこで必要となってくるのが、よりシンプルに設定を変えられる新たなヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)装置。カー・テレマティクスとAIを組み合わせて、ドライバーの簡単な指示で様々な設定が変えられるHMIの出現は、待ったなしだ。

交通安全・交通効率・環境維持の問題解決に貢献

 自動車は人類にとってかけがえのない移動手段である。一方で、交通安全・交通効率・環境維持の3分野での社会問題をもたらす元凶ともいえる。そんな問題を解決するのに必要な基盤技術として注目されるのがカー・テレマティクスなのだ。

 交通安全については、前述したようにカー・テレマティクスがADASへの重要な情報提供源となっていく。

 交通効率の向上については、交通渋滞解消へ向けたカー・テレマティクスの各種サービスが挙げられる。交通渋滞は多数の自動車が道路に集中して、交通容量を超えると発生しやすくなる。そこで、現在でもVICS情報や通信ナビのプローブ情報をもとに、最短時間で目的地まで誘導する機能を、それぞれの自動車のカーナビは個別に活用している。

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