デジタル化で飛躍するASEAN

SNSで注文、配車アプリで配達...タイのECは新鮮!

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 買いたい商品を見つけたら買い物かごにポチッと入れて、希望の配達日時を指定し、クレジットカードで決済を済ませたら後は商品が届くのを待つだけ。すべての手続きがネットで完了する購買形態に慣れきった日本人にとって、タイのEC(電子商取引)は新鮮だ。

支払いはLINE@、10分で完結

 プラットフォームはSNS(交流サイト)。伝達手段はチャットや電話。配送手段はバイクタクシーか配車アプリのグラブタクシー。タイのECは、デジタルとアナログが融合した独自の形態に進化している。

 ネットでの買物が実際にどのように進むのか。クイニーアマン(洋菓子の一種)とアイスクリームを買った実体験から紹介しよう。

 クイニーアマンの広告を見つけたのはFacebook上だった。シズル感にあふれた画像を見てがぜん購買意欲が募り「購入する」ボタンを推すと、LINE@(注)のQRコードの画面が登場。早速LINEの「友だち」に追加すると、店側から「ようこそ!」という挨拶に続いて、メニュー表や商品画像が送られてきた。

(注)LINE@は、ビジネス向けのLINEのアカウント

 賞味期限や配送料がわからないので質問をすると間髪をいれずに返信がくる。これはもう実店舗で買い物をするのと同じ感覚だ。レスポンスの速さから「ここなら信頼できるかも」「何よりクイニーアマンが美味しそう」とオーダーを入れると、「ただいまスペシャルフレーバーを期間限定で提供中。こちらもいかが」とファーストフードの店のようにプッシュされる。限定品の一言にひかれて、つい追加注文してしまった私である。

 すぐに送られてきた請求書を見ると代金の支払先が2種類記されており、どちらもタイの銀行だ。1つは私が口座を開いている銀行だったので、すぐに銀行のアプリを立ち上げて振込を済ませ、振込完了の画面をキャプチャーしてLINE@から送ると、10分後には「PAID」の赤いハンコが押された領収書がLINE@で届いた。これで買物は完了だ。

 最後に向こうからこんな質問が寄せられた。「私たちのお店のことをどこで知りましたか?」。この店はインスタグラムもやっている。実店舗の店頭にアンケート用紙を置いていても、返事が寄せられるのはごく一部だろう。買物の最後にチャットで客に直接問いかけリサーチするのは効果的な方法に違いない。

 さて、商品到着は翌日の午前9時45分~10時と意外に細かい。どんな方法で届くのか。

 答えはバイクタクシーだった。渋滞のひどいバンコクでは、バイクタクシーは一般的な交通手段。距離によっても料金は違うが、20バーツ(約70円)ほど払えばソイ(小路)の入り口から奥まで渋滞をくぐり抜けて移動できる。しかも、このバイクタクシーは頼めば買物代行やモノの配達も引き受けている。クイニーアマンはこのマルチで伝統的な交通手段をデリバリーに利用していたわけだ。ほぼ時間通りに届いたことは強調しておこう。

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