長島聡の「和ノベーションで行こう!」

新しい価値観を生む「ゆるさ」と言葉の力 第3回 倉成英俊・電通総研Bチーム・クリエーティブディレクターに聞く

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長島 相当センスが必要ですね。私も宣伝会議に通った方がいいですかね(笑)。まだ間に合うかなあ。

倉成 大丈夫ですよ(笑)。僕は今、教育の仕事もやっていて、いろんな学校に呼ばれて「変な宿題」を出したりするのですが、これもルールを決める手法の一つですね。例えば、今から3分間で10文字以内の自己紹介を考えて下さい、と。これは制約の中で伝えるという、CMを作る仕事の疑似体験なわけです。あるいは、「食後感想文コンクール」。これは僕が買ってきたお菓子をみんなに配って、感想を書いてもらう。コピーで一番難しいといわれる味の表現にチャレンジしてみようと。

長島 そう言われると、みんな一生懸命考えるでしょうね。

社会へのインパクトを想像できるかどうか

倉成 好奇心をわかせることは広告業界の一番得意な分野で、スキルが脈々と伝わっています。それを教育とかいろんな分野に応用したり、部下の指示にもまぶしたりしているわけです。

長島 ローランド・ベルガーは2016年3月にR&Dセンターを作りました。いろんな業界のコンサルで培ったノウハウや知見をストックしているのですが、どうも人が使いたがるような表現になっていないのです。

倉成 でもコンサルの方って、クライアントに提案するには資料のタイトルや文章も相当考えるわけですよね。

長島 そうなんですが、昔から格調が高いというか、当たり障りのない言葉を尊ぶような文化がありまして。なんとなくすごそうに見えて、結局何がすごいのかわからない(笑)。意味が伝わらないとよく言われます。

倉成 僕らはそういうところで苦労することはないですね。同じように業界の情報を集めているのですが、何が違うのかなあ。毎月1回、集まれる人が集まって、ネットで参加する人もいて、雑談しながら物事が決まっていく。

長島 恐らく、雑談の方法が違うんだと思います。普通の人はエピソードが1つか2つで止まる。でも広告業界の人はそこから広がって、社会に与えるインパクトまで頭の中に浮かんでるんだろうなと思うんです。

倉成 確かに、昔ならお茶の間で話題になるか、今ならネットでバズるかどうか、無意識のうちに考えてるんでしょうね。シーンが見えているというか。

長島 さっきの100円の価値を105円にして返すというお話。その5円の価値には非常にたくさんのシーンが詰まっていると思います。明らかに発想が違うんです。

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