長島聡の「和ノベーションで行こう!」

新しい価値観を生む「ゆるさ」と言葉の力 第3回 倉成英俊・電通総研Bチーム・クリエーティブディレクターに聞く

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 日本型のイノベーション=「和ノベーション」を実現していくには何が必要か。ドイツ系戦略コンサルティングファーム、ローランド・ベルガーの長島聡社長が、圧倒的な熱量を持って未来に挑む担い手たちを紹介していくシリーズ。第3回は倉成英俊・電通総研Bチーム・クリエーティブディレクターです。

伝わる技術、人を動かす技術

長島 倉成さんと知り合ったのは、以前からお付き合いのある由紀精密の大坪正人社長から、「INDUSTRIAL JP」というレーベルの動画を見せてもらったのがきっかけです。中小企業の工場の音と映像でミュージックビデオ(http://idstr.jp/jp/)を作り、その技術力の高さを発信していこうという試みで、「これはすごい!」と思ったんですね。そのプロデュースやビデオ制作を手掛けた人を辿っていくと、電通総研Bチームメンバーの個人プロジェクトだということがわかり、ぜひ一緒にお仕事ができたらと思い、今回の対談もお願いしました。

倉成 僕は広告の制作やイベント企画などでいろんな方と仕事をしますが、一番大事にしているのは「ノリ」なんです。一緒にお茶を飲んで楽しい人、あわよくば気の合う人、そして世の中をよくするために意味あることをやろうとしてる人をお手伝いしたいと思ってやってきました。長島さんは大手企業を相手にする外資系コンサルティング会社のトップですが、INDUSTRIAL JPのプロジェクト支援を申し出ていただいて、「この人はかなり変わってるな、気が合いそうだな」と思いました(笑)。遊び心というか、たくらむことがお好きなんじゃないかなと。

長島 ありがとうございます(笑)。今日お聞きしたいと思っているのは、倉成さんが長年、広告業界で培ってこられた伝える技術、いわばコピーの力と発想法です。イノベーションには「新たな価値を生む」「それがみんなに伝わる」という2つのプロセスが必要です。生み出したい価値がみんなに伝わる技術、みんなが自然と動きたくなるための技術とはどんなものか。そして、みんなをアッと言わせる発想はどこから生まれるのか。まずは広告業界に入ろうと思ったきっかけから教えていただけますか。

倉成 僕は小さい頃、発明家になりたかったんです。それで理系の勉強を一生懸命やって、東大工学部の機械工学科に入ったんですが、大学院に進むかどうか決める時にあらためて考えたのです。自分がやりたい発明とは、工学部で難しい式を理解することだろうかと。昔、ある主婦が鈴を付けて魚の引きを知らせる釣りざおを発明して話題になったことがありましたよね。

長島 はいはい、ありました。

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