デジタル変革マーケティング

消費者視点とビジネス視点を両立するには 横山隆治、内田康雄

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(3)見えている範囲外への想像力の欠如

 ダッシュボードによる可視化と意思決定は、ある意味「取れているデータ」の中で浮かび上がる事実から推察しているにすぎません。そのため、インプットの質を変えなければ、今ある想像の範囲を超えたインサイトが得られにくい側面があります(図表3)。

図表3 データドリブンな意思決定は、取得できているデータの範囲に依存してしまう

 そこで、データの交換と自動連携が得意なダッシュボードツールを受け皿として、他社と相互にデータを乗り入れて新たな知見を得ようという取り組みが動き始めています。とくに、自社と競合商品を両方買ったことがある人の詳細データなど、自社で保有していないものの、新たな仮説立てや分析上の示唆を与える可能性が高いデータセットについては、今後企業間での「取引」が徐々に進んでいくものと思われます。

 その一例として、経済産業省主導の事業である「先端課題に対応したベンチャー事業化支援事業(データ利活用促進支援事業)」では、企業データのマッチングと分析企画支援事業として、複数の企業で具体的な取り組みが報告されています。

 このように、企業間の壁が取り払われて、企業横断型の分析プロジェクトが立ち上がる可能性が、データドリブンなカルチャーの先には期待されます。

横山隆治・内田康雄著 『デジタル変革マーケティング』(日本経済新聞出版社、2017年) 第4章「ダッシュボードを活用したデータドリブン経営」から
横山 隆治(よこやま りゅうじ)
デジタルインテリジェンス代表取締役。1982年青山学院大学文学部英米文学科卒。同年旭通信社入社。96年デジタルアドバタイジングコンソーシアムを起案設立。同社代表取締役副社長に就任。2001年同社を上場。インターネットの黎明期からネット広告の普及、理論化、体系化に取り組む。08年ADKインタラクティブを設立。同社代表取締役社長に就任。10年デジタルコンサルティングパートナーズを主宰。11年デジタルインテリジェンス代表取締役に就任。『CMを科学する』『リアル行動ターゲティング』など著書多数。
内田 康雄(うちだ やすお)
デジタルインテリジェンス データドリブン・ストラテジスト。2007年早稲田大学教育学部卒。同年デジタルアドバタイジングコンソーシアム入社。ウェブ解析の導入活用支援、ROIトラッキング領域の専門家として活躍。13年デジタルインテリジェンスに入社。大手法人向けに、マーケティングを最適化するためのデータ分析やテクノロジーの導入運用等のコンサルティングを行っている。Digital Analytics Association認定Web Analyst、日本交渉協会認定交渉アナリスト。

キーワード:経営層、管理職、マーケティング、営業、経営、イノベーション、IoT、AI

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