ダイバーシティーマーケティングの時代

「日本」を発信するプロ集団が重視する多様性とは? Fun Japan Communications 藤井社長、稲川COOとの座談会(後編) アクセンチュア 製造・流通本部 秦純子氏、高木研太郎氏

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アライアンスを拡張して掛け算を目指す

高木 最後にうかがいます。デジタルマーケティングプラットフォームを主力事業として会社が設立されて約1年たったところですが、今後は事業をどのように拡張していく予定でしょうか?

高木研太郎(アクセンチュア 製造・流通本部 シニア・マネジャー)

高木研太郎(アクセンチュア 製造・流通本部 シニア・マネジャー)

藤井 アジアの消費者に関するインサイトとエンゲージメントについてはさらに深められると思います。また、事業の幅については、本当に無限に広げられるという自分の会社に対する期待感があります。

 我々としては、日本とアジアの架け橋になるという最終的なミッションがありますが、まずは日本企業や自治体が、アジアに対するデジタルマーケティングを行おうとしたとき、FJCを想起してもらえるようにしたいと考えています。また、アジア各国の消費者が日本について調べたり考えたりする際には、FJCを最適なメディアとして想起してもらえるような存在になりたいと考えています。

稲川 そうした目標に向けて、我々はビジネスモデルを進化させていきます。そのカギとなるのがアライアンスによる機能の拡張です。

 今、我々はソーシャルメディアを軸に事業を展開していますが、例えば「ソーシャル×EC(電子商取引)」「ソーシャル×店舗」「ソーシャル×テレビ」などの掛け合わせによる事業展開があり得ます。「ソーシャル×テレビ」ならば、ソーシャルメディアを使った新しいテレビの見方・見せ方を実現しながら、消費者がテレビを見た後に感想などをソーシャルメディアで共有するサイクルを作れるでしょう。足し算ではなく、掛け算で成果が得られるようにしていきたい。

 もう1つは新しい表現方法に挑戦することです。プロモーションであれば、最終的には商品やサービスをコンバージョンする必要がありますが、商品やサービスを単純に紹介するだけではこれからは不十分です。よりビジュアルで訴求力のあるメッセージを出す必要があります。

 前回の座談会「創造力は右脳と左脳のコミュニケーションから生まれる」でも似た話が出ました。ビジネスには、結果が数字でわかる、投資対効果が出るなど、左脳的な側面があります。その一方、消費者のエモーショナルな部分に訴えるような右脳的な能力も求められます。その辺りは、FJCではどうバランスをとっているのでしょうか?

藤井 その意味では、非常にメンバーに恵まれています。当社には、得意領域・スキルが多様な人が集まっており、ミーティングをやっていてもさまざまな観点の意見が出ます。また、国籍やバックグラウンドも多種多様で、右脳的な発想が得意な人もいれば、左脳的な発想が得意な人もおり、お互いを刺激しあうとともに補完しあい、自然とバランスがとれています。

多様性を尊重しながら各自に期待する能力を明確にする

 そうなのですね。しかし昨今、ダイバーシティー(多様性)について議論されてはいますが、違うバックグラウンドや価値観を持つ人たちがどのように一緒に働いているのでしょうか?さきほどおっしゃったように、1つ大きなゴールに向かっているところはあると思いますが、それだけで十分なのでしょうか?

藤井 そこは一番難しいところです。当社は、スキルの高い人が集まっている会社であり、そういった社員たちに正当な評価をすることが基本になります。

 また、1から10まですべてをしばる会社ではありませんが、1から10まですべてを自由にしているわけでもありません。守らなければいけないコアなルールを共有することで、働き方の多様性も実現できると考えています。

 メンバーのバックグランドや働き方は多様でも、各自に期待する能力を明確にしていれば、フェアにコラボレーションできるということですね。

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