ダイバーシティーマーケティングの時代

「日本」を発信するプロ集団が重視する多様性とは? Fun Japan Communications 藤井社長、稲川COOとの座談会(後編) アクセンチュア 製造・流通本部 秦純子氏、高木研太郎氏

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 それだけ細かくアジアの消費者ニーズを把握しているところは、他社にない特徴ですね。

稲川 プロモーションについては高速PDCAで週次・日次で広告の対象者を変えたり、クリエイティブを変えたり、メッセージを変えたりして対応しています。

スーパーポジティブに考え、まず実行してみる

 幅広い業種の企業とのアライアンスに取り組む点も御社の特徴です。FJCの組織が小さいために必要になるという側面はあると思いますが、会社のフットワークを軽くするためでもあると感じています。この点はいかがでしょうか?

秦純子(アクセンチュア 製造・流通本部 マネジング・ディレクター)

秦純子(アクセンチュア 製造・流通本部 マネジング・ディレクター)

稲川 そこは藤井も私も非常にこだわっています。新たなサービスを立ち上げる、新たにアライアンスを組むというのはネガティブな側面もありますが、我々はスーパーポジティブで、何か新しいことがあると、まず実行しようとします。価値観の調整が必要なら、あとで調整すればよく、調査の必要があればFJCで調べればよい。そういう風に能動的に動いていくのが、重要だと考えています。

 複数の会社が共同で利用するプラットフォーム型の事業は実はそれほど簡単ではなく、あまり多くはありません。FJCがそれを実現できているのは経営者のメンタリティー、会社のカルチャーにもあると感じています。

稲川 ご指摘の通りですね。FJCの社員は多様性にあふれており、外国人が30%、女性が47%の比率で個性的な人も多い。しかし、大事なのは会社設立のコンセプトや理念に共感していることであり、さらにトップが信用されていることでしょう。

藤井 もちろん私と稲川は意見をぶつけあうこともありますが、大きく目指すところは同じです。異業種の4社が出資企業として名を連ねているのも、FJCで描こうとする絵に共感して、自社とのシナジーだけでなく、日本全体の新たな潮流を生み出すという視点を持っています。そこに我々のお客様も共感していただいているだろうと思います。

1社だけでは難しくパートナーや理解者が必要

藤井 当社がデジタルマーケティングのプラットフォーム化を目指しているところについて、今までなぜ同じようなサービスがなかったのかという点で補足したいことがあります。

 現状のように、訪日インバウンド市場が急激に拡大し、外国人旅行者の旅行形態や旅行目的も多様化すると、1社だけのリソースで購買や誘客につなげる施策を展開するのは、非常に困難になってきています。

 これまでは、将来的に来るであろう訪日インバウンドの波に備えて、現地でのプロモーションを行っていれば十分だと思っていた日本の企業や自治体のみなさまが、いよいよ訪日インバウンドの波がきた今、その波を購買や誘客に結びつけようとしていますが、従来の施策では満足なコンバージョンを実現することができず、その効果測定をすることもできないことがはっきりしています。我々は、こうした日本の企業や自治体様の課題を個々に解決できるように、出資企業や業務提携先と連携したプラットフォームを構築しました。

 企業が新規事業としてプラットフォームや、エコシステムの構築に取り組もうとする場合、各社の利益はもちろん必要ですが、それを包含して複数のステークホルダーを束ねるリーダーシップがとても重要になります。

 また、短期的な評価や指標だけではなく、最終的なゴールを明確にして、ゴールをともに目指す姿勢がないとやはりプラットフォーム型の事業は成立しないと感じました。FJCではそれができているのでしょう。

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