ダイバーシティーマーケティングの時代

「左脳×右脳」のデザイン思考でリード アクセンチュア 製造・流通本部 秦純子氏、高木研太郎氏

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 米国フロリダのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートの取り組みも紹介したい。ここではリストバンド型のウェアラブルデバイス「マジックバンド(MagicBand)」が導入されている。事前に「My Disney Experience」というサイトで名前、誕生日、決済情報などを登録し、アトラクションやレストランの予約をしておけば、マジックバンドと連携して入園後にアトラクションのファストパスとして利用したり、ショップやレストランの決済を行ったりと、これまでにない新たな体験をすることができる(下図)。

<FONTBOLD />ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート「My Disney Experience」と「マジックバンド」の概要</FONTBOLD></p><p>ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートでは、来園者情報を登録するウェブサイトとウェアラブルデバイスを組み合わせ、来園前から帰宅後までの一連の顧客体験に新しい感動を提供。 出所:ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート

ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート「My Disney Experience」と「マジックバンド」の概要

ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートでは、来園者情報を登録するウェブサイトとウェアラブルデバイスを組み合わせ、来園前から帰宅後までの一連の顧客体験に新しい感動を提供。 出所:ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート

 こちらも裏側では登録された顧客情報とパークでの行動履歴を把握する(論理的アプローチ)とともに、滞在時間増加につながるレストランメニューを検討したり、高単価顧客の好むアトラクションやグッズ、ルートなどについて様々な検討をしたり、という感性的アプローチで新たな打ち手へとつなげている。

 このように、デジタルテクノロジーを用いながら、感性的なアプローチと論理的なアプローチをうまく連携させる取り組みが出てきている。今後は、そもそもの商品・サービスの構想段階からいかにユーザーニーズを見つけて満たしていくのか、そのために裏側でデジタルテクノロジーをどう活用していくのかがマーケティングの成否を分けるポイントとなっていくだろう。

 こうした先進的な取り組みを進めていくために、企業内の商品開発プロセスを変えていくことは決して簡単ではない。しかし、市場環境が大きく変化して多様化していく中で、企業は論理的アプローチと感性的アプローチを最適な形で連携させ、新たな価値を創造していくかについて、時間をかけてでも検討すべきである。今後、企業が成長していく上での重要なテーマになるといえよう。

 次回の対談編では、論理的人材や感性的人材の強みは何か、企業はどのようにその素晴らしいタレントを活用していくべきか、さらに採用・評価などの企業マネジメントをどうすべきか、といった観点から、感性的人材と論理的人材による対談をお届けしたい。対談者は、クリエーティブエージェンシー「ロフトワーク」の代表取締役であり、米MITメディアラボ所長補佐などを務める林千晶さん(感性的アプローチ代表)、アクセンチュア アナリティクス日本統括マネジング・ディレクターの工藤卓哉(論理的アプローチ代表)、アクセンチュア チーフ・マーケティング・イノベーターの加治慶光(感性的アプローチ代表)など。

秦 純子(はた じゅんこ)
 アクセンチュア 製造・流通本部 マネジング・ディレクター。早稲田大学卒業後、アクセンチュア入社。自動車、製薬、食品、飲料、総合商社、小売り、高級ブランドなどの製造業、流通業において事業戦略、マーケティング戦略を中心としたコンサルティングサービスに従事している。主な共著に『crmマーケティング戦略』『金融業のIT産業化』。
高木 研太郎(たかぎ けんたろう)
 アクセンチュア 製造・流通本部 シニア・マネジャー。慶應義塾大学卒業後、アクセンチュア入社。ハイテク産業からメディア、小売りまで、幅広い分野でコンサルティングサービスに従事。最近は、ビッグデータ分析に基づくマーケティング変革に注力している。

キーワード:経営層、管理職、マーケティング、営業、経営、人材、IoT、AI

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