ダイバーシティーマーケティングの時代

「左脳×右脳」のデザイン思考でリード アクセンチュア 製造・流通本部 秦純子氏、高木研太郎氏

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 米ペプシコは、コンセプト開発から製品化に至るまでの商品開発プロセスや顧客が実際に購買・消費するという一連の体験を、消費者目線で見直す必要があることに気づいた。同社は2012年にマウロ・ポルチーニ氏を初代最高デザイン責任者に起用し、デザイン主導の会社へと変革を推進している。最初は「デザイン主導」という考え方を論理的アプローチに組み込むことを社内に浸透させることが難しかったという。しかし、デザイナーを社内に迎え入れ、ユーザーにどのような体験をしてもらいたいかを突き詰めていくように商品開発プロセスや企業文化を変えていくことで、製品の価値を上げ、売り上げを拡大することに成功した。

 ほかにも当事者たちが意識していたかは定かでないが、アップルのiPod、任天堂のWiiなどもユーザーを観察し、ニーズを見つけ出して、顧客への新たな価値を創造した例としてよく挙げられる。これらの成功事例は、論理的なアプローチと感性的なアプローチをうまく結びつけ、消費者の潜在ニーズに応えて価値を創造していくことが、企業にさらなる成長をもたらす可能性があることを示唆している。

 しかしながら、論理的、感性的両方のアプローチを兼ね備えた人は少なく、両方のアプローチを組み合わせること自体も容易ではない。そこで、デジタル技術を活用して両方のアプローチを組み合わせることで、マーケティングに成功している例をいくつか紹介したい。

 米アマゾンは2014年から「Amazon Echo」という卓上型のパーソナルアシスタントを販売している(国内未発売)。自然言語認識機能を持ち、ユーザーの「音声命令」に反応して音楽を再生したり、ウェブ検索をしたり、アマゾンに発注したり、目覚ましの設定やスケジュールの確認をしてくれたりと、生活ニーズに柔軟に対応してくれる画期的なデバイスである。ユーザーに対しては新たな体験を提供しつつ、発売以降1000以上の新機能を追加している。Echoと内蔵ソフトAlexaの開発には1000人以上のスタッフが取り組んでいるという。この事例からは、裏側に非常に高度なソフトウェアが存在しながら、ユーザーニーズにとことん応えていかに良質な顧客体験を提供できるか、という感性的思考を用いた設計が施されている。この点で、論理と感性をうまく融合させた製品・サービスを生み出していることがわかる。

 

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