ダイバーシティーマーケティングの時代

「左脳×右脳」のデザイン思考でリード アクセンチュア 製造・流通本部 秦純子氏、高木研太郎氏

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 例えばローソンでは、ポイントカード「Ponta」の会員の膨大な購買情報を用いて商品のリピート購買率を分析し、売り上げ自体は少ないがリピート購買率が高い「低糖質パン」の販売継続を決断した。また、Ponta会員の購買履歴や天候、店舗の売れ筋データなどをもとに、ビッグデータ分析によって店ごとに最適な品ぞろえや発注数を推奨する仕組みを導入するなど、データサイエンスを積極的にマーケティング活動に活用している。

 Eコマースの世界でも、在庫量・競合動向・トレンド予測などから最適価格を解析してリアルタイムに販売価格を変化させるなど、データサイエンスの進化によって科学的な根拠にもとづく4P戦略が実行され始めている。そのほか、普段テレビを見ない、オーガニック志向なOLに対してSNS上でシリアル食品のトライアルクーポンを提供したり、高級車に乗ってみたいと思う若者に対して安価なカーシェアサービス・アプリを提供したりする例もある。

ビッグデータ分析に感性的なアプローチを加える

 一方で、消費者は不満を感じた場合、購入するサービスや商品を変えてしまう(スイッチングする)恐れもある。消費者は「メーカーや小売事業者は、自分の嗜好を理解し、それに合わせた商品・サービスを提供してくれること」を期待しているからだ。アクセンチュアの調査(※)によると、スイッチングによって移動する消費額は、グローバル市場で約6兆ドル規模と見込まれている。

(※)「The $6 trillion opportunity: How digital improves customer experience」、日本を含む世界33カ国、約2万4000人の消費者を対象にしたアクセンチュアの調査、2014年実施

 こうした消費者一人ひとりのニーズに応えるためには、現状の市場・顧客状況をベースとした戦略・戦術を組み立てる論理的アプローチを踏まえたうえで、改めて感性的なアプローチが重要となってくる。

 なぜなら、マーケットデータにもとづく従来の分析手法は、市場構造に大きな変化がなければ過去のデータから将来を予測しやすいが、構造変化の激しい今の市場においては適用できないことも多いからである。そのため、例えば新しい課題解決法をゼロベースで発想するデザイン思考など、右脳的な感性アプローチを取り入れた手法をマーケティングに活用することで、より面白い商品やサービスを生み出す企業が増えている。

 このデザイン思考をマーケティングプロセスに取り入れ、成功した企業として飲料・食品大手のペプシコ社がある。

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