都道府県格差

国民総幸福量(GNH)にも表れない実感は? 橘木 俊詔 氏、造事務所

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 それどころか、テレビや新聞などで海外のテロや紛争、貧困などの報道を目にすることで、外国とくらべたら日本は「まだ幸せなほう」と感じている人のほうが多いかもしれません。

 そう考えると、幸福というものに絶対的な基準はないということになります。もっといえば、それぞれの感じ方しだいで、幸福にも不幸にもなるといえるでしょう。結局、幸福とは主観的なものでしかないのかもしれません。

じつは幸福だと感じていない福井県民

 ところで、この本で扱ってきたランキングは、基本的にすべて客観的なデータに基づいています。しかし、それとは別に、その地域に住んでいる人たちが実際に「幸福と感じているか」についての調査もあります。

 文部科学省が2010年に「地域の生活環境と幸福感についてのアンケート調査」というものを行なっており、20~60歳代の1万1556人に「全体としてあなたは普段どの程度幸福だと感じていますか」という質問をしました。回答は、0(非常に不幸)~10(非常に幸福)の11段階あり、回答の統計によって47都道府県の主観的幸福度を発表しています。

 その結果は、意外なものでした。本稿でみてきたように、客観的なデータを基にしたさまざまなランキングでは上位にいた福井県が、主観的な幸福度では、35位と下位にいるのです。

 つまり、福井県民の多くは自分たちが「幸福ではない」と感じていることになります。福井県と同じく北陸の富山県や石川県も、各ランキングでは上位に入ることが多かったにもかかわらず、主観的幸福度では、前者は26位、後者は37位と低迷しています。

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