営業力 100本ノック

営業がいま身につけるべき最大の武器とは? 東京工業大学大学院特任教授、レジェンダ・コーポレーション 取締役 北澤 孝太郎

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4.知識の増やし方を知っていますか

●内省をうながし、知識を増やす仕組みとは

 次の図を見てください。知識には、言葉になっていないが体の中にある暗黙知と、それを言葉や概念化した形式知の2つがあります。人は、何かいろいろ行動することで、体内にまず言葉になってない知識(暗黙知)を創ります。そして自分の頭の中でつなげます。これが共同化です。そして、次にそれを思い切って言葉にし(表出化)、形(形式知)にすることで、他の知識とつなげ(連結化)やすくします。人からアドバイスをもらいやすくするのです。さらにそのつなげたものを振り返り(内省)、次の行動をうながすための計画を練ります(内面化)。そして、その計画にしたがってまた行動するのです。このプロセスを回すことで、知識はどんどん増殖され、深まっていきます。

●営業マンの武器は何?

 このように、暗黙知と形式知を交互に変換することで自分の知識を深く確かなものにしていきます。ですから、知識を増殖しようと思ったら、自分で行動したことを言葉にする(概念化)する力をつけることと、実践したものを必ず内省する習慣が必要です。この2つの習慣を是非身につけましょう。多様な時代における営業マンの最大の武器は、その状況、状況に合わせた営業知識です。正解が1つでないので、自分自身で、「こういうときは、こうする」という営業知識をたくさん持たねばなりません。よく「引き出しの多さが営業の出来栄えを分ける」といいますが、それは、まさにこの営業知識が多いかどうか、それがそれぞれみがかれているかどうかということです。わからないことや知らないことがあっても、自分の知識とすぐに連結化して、自分で動けるように内面化(内省)して、新たな自分の知識として、またこのプロセスを動かすことで、自分自身の確かな知識としていきましょう。営業マンの最大の武器は、「みがき抜かれた営業知識」と心得るべきです。

北澤 孝太郎 著 『営業力 100本ノック』(日本経済新聞出版社、2017年)、第1章「[営業の心構えと基本]まずは基本のキから」から
北澤 孝太郎(きたざわ・こうたろう)
東京工業大学大学院特任教授、レジェンダ・コーポレーション取締役

1962年京都市生まれ。1985年、神戸大学経営学部卒業後、リクルートに入社。20年にわたり営業の最前線で活躍。2005年、日本テレコム(現ソフトバンク)に転身。執行役員法人営業本部長、音声事業本部長などを歴任。その後、モバイルコンビニ社長、丸善執行役員などを経て、現職。東京工業大学ではMBA科目の「営業戦略・組織」を担当。著書に『営業部はバカなのか』(新潮新書)、『優れた営業リーダーの教科書』(東洋経済新報社)、『人材が育つ営業現場の共通点』(PHP研究所)がある。

キーワード:経営、企画、営業、人事、経営層、管理職、プレーヤー、マーケティング、人材、研修

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