営業力 100本ノック

営業がいま身につけるべき最大の武器とは? 東京工業大学大学院特任教授、レジェンダ・コーポレーション 取締役 北澤 孝太郎

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3.情報を知識にどう変えますか

●これからの社会では何が大事なのか

 世の中はすでに、情報社会から知識社会に変化しているといわれます。高度経済成長やバブル時代のように、世の中が、より物質的に豊かになるという共通の目標がなくなり、物質の豊かさよりも、人それぞれの価値観が重視される多様な時代になったからです。みんなが同じ方向に向かっているときは、その方向へ向かうための正解がありました。答えが1つだったわけです。だからこそ、その答えを導き出す情報の多さが大事だったのです。

 ところが、多様な時代になると正解は1つではありません。正解が1つでないということは、それぞれの状況に合わせたその場での判断が大事になります。その判断を支えるものが知識です。知識というのは、自分自身で情報を消化して、「こういうときはこうする」という自らが行動できる判断基準のようなものに変えたものをいいます。ですから、情報はみな共通ですが、知識は個人独自のものなのです。これからの社会は、情報よりもこの知識をいっぱい持っていることが必要になります。では、この知識はどのようにして創られるのでしょう。それには、それぞれの内省習慣がキーポイントになります。

●内省習慣こそが知識を創る

 内省習慣とは、出来事を振り返る習慣です。出来事が起こったときに、いったい何が起こったのかを検証し、次からこうしていこうと計画を立てることです。営業という仕事は、お客様にいろいろ気を遣い、移動が多いので体力を使い、上司に報連相を繰り返さなければなりません。提案書づくりは集中力もいります。はっきりいって疲れます。ということもあり仕事が終わると、今日1日のご褒美ということで飲みに行くかとなりがちです。仲間と飲みに行かなくても、ひとりご褒美を設定し、缶ビール片手にスポーツニュースやバラエティ番組をだらだらとみてしまうというような日常を過ごしていませんか。これでは、新しい知識を創り出すことはできません。武器なしで、また新しい1日を迎えることになってしまいます。

 もし、戦う武器、つまり知識を自分のものにしたければ、たとえ10分でも今日起こった出来事を振り返り、明日の計画を立てる習慣をつけましょう。今まで内省したことがないという人には、朝一番の仕事を、昨日の出来事を思い出すことに変えることをおすすめします。

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