人・組織がよみがえるマネジメント

「腹落ちしてない社員」は、すぐ変革を忘れる マネジメントソリューションズ 横江真由美 氏

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 研修で話す情報量は、さじ加減が難しいので気をつけてください。よく講師が親切心で、知っている知識をできるだけ伝えたいと、第1回目の研修にたくさんの情報を盛り込んでしまうケースを見かけます。しかし、講師は満足でしょうが、受講する社員は疲れるだけです。それどころか、たくさんの情報に嫌気がさし、その時点でブロックアウト(情報を拒絶)するケースが多々みられます。

 こういうことがあるので、受講者がどういう気持ちで研修を受けたのか、研修後に必ずアンケートをとることが大切です。その結果、難易度に関して「難しい」と判断されたら、次に続く研修のレベルを少し落とします。

 アンケートで「〇〇についてもっと知りたい」といった要望が出てきたら、次の研修で必ず応えるようにします。そうしていれば、人は知りたい内容しか理解しない((2))、人は知りたい時にしか理解しない((3))という丁寧なコミュニケーションのためのポイントを自ずと満たすことができます。そして、人(相手)が持っている情報や知識と、自分が持っている情報や知識は違うという認識((1))を前提に、頻繁に相手からフィードバックをもらい、相手を知り、相手の課題や懸念事項に丁寧に応えていくとよいでしょう。

 重要なことなのでもう1度述べますが、あらゆる機会を通じて「なぜ変革が必要か?」「変革でどんな良いことがあるのか?」などのメッセージを繰り返し伝えること((8))がとても有用であり、絶対に必要です。

「なぜすべきか」、腹落ちしていないと1年で忘却の彼方へ

 冒頭に挙げたような変革プロジェクトでよく起こることなのですが、現場にプロジェクトマネジメントプロセスを展開する際、次のようなメッセージを出しがちです。

「プロジェクトマネジメントの仕組みを導入します」



「研修を受けてください」



「このツールでこうやって入力してください」

 しかし、このように展開した場合、現場でプロジェクトマネジメントが機能するのは「せいぜい1年ぐらい」と言われています。その後、何事もなかったかのように組織からプロジェクトマネジメントの意識が消え去ってしまうのです。

 原因は、指示や命令しか出していないからです。社員が心の底からプロジェクトマネジメントが大事で、本当に自分たちにとって必要であると納得させることができていないからです。

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