世代別人事マネジメントのすすめ

40代「管理職」の停滞をどう打破するか クレイア・コンサルティング 執行役員 ディレクター 橋本 卓氏

記事保存

日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。

 広義の管理職が多いということは、仕事内容や責任範囲が一般社員と変わらないように見える管理職が多いことを意味する。広義の管理職には、次のような属性の社員が含まれる。

「課長」「課長代理」といった役職に就いているが、管理業務よりも実務に多くの時間を費やすプレイングマネジャー
人事管理上は管理職扱いだが、部下のいない専門職・企画スタッフなど

 判断業務にほとんどの時間を費やす、純粋な意味での管理職はごく一握りであるといえる。この背景には組織構造上の理由がある。多くの企業は1990年代以降にいわゆる「組織のフラット化」に取り組み、勤続年数は長いが職責の実態を伴わない中間階層を排除した一方で、現場への権限委譲を図った。

 さらに、IT(情報技術)による業務改革の進展は、組織内のコミュニケーションと意思決定のハブである管理者の必要人数を減らすことにつながった。この結果として、「一握りのゼネラルマネジャー(部長などの上級管理職)」と「数多くのプレイングマネジャー(課長代理・課長)」という構造が多くの企業に共通して見られるようになったのである。

管理職のプレイングマネジャー化と意欲・能力の停滞

 管理職のプレイングマネジャー化は、人事マネジメントの観点から様々な問題を引き起こすことになる。

マネジメント能力の育成機会の減少

 実務をこなしながら管理業務も担わなければならないプレイングマネジャーとしての立場は、純粋な意味での管理者に成長する上で必ずしも望ましい育成環境とはいえない。プレイヤーとして優秀だった人ほど、自身のスキルを磨き、自分の仕事で結果を出すことにこだわる傾向があり、管理業務に費やす時間よりも自分の仕事に使う時間を優先しがちである。実務にかける時間が増えてしまうと、管理者として必須の「上位視点で考える」機会も失われがちである。

 筆者が階層別研修の講師をしている、ある会社のエピソードである。この会社では、新任の課長、次長、部長の3階層で研修を行っているが、一般企業と比較して受講者のレベルは課長が高いのに対して、次長になると低くなり、部長になるとまた高くなるという傾向が見られた。

関連情報

閲覧履歴

    クリッピングした記事

    会員登録後、気になる記事をクリッピングできます。