世代別人事マネジメントのすすめ

50代「セミリタイア社員」をよみがえらせる クレイア・コンサルティング シニアコンサルタント 大浦 琢也氏

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 企業の人手不足感が強まるなか、優秀な人材をいかに育て、社内に引き留めるかが、一段と重要な経営課題になっている。その際に有効なのが、勤続年数や年代に応じた育成策や人事戦略だ。人事・組織改革で実績のあるクレイア・コンサルティングのコンサルタントが、世代別人事マネジメントの要諦を解説する。

可視化される世代内の格差

 「この前、居酒屋に行ったら、別のテーブルで、うちの会社の役員と部長と担当課長が3人で楽しそうに話をしているのを見かけてさ。仕事上のつながりはほとんどないはずだし、変わった組み合わせだと思って、次の日、それとなく課長に聞いてみたら、実はその3人、同期入社だったみたいなんだ。役職だけじゃなくて、見た目の年齢も全然違うから、あの3人が同期で仲良く話しているのが、すごく意外だった。

 それにしても新卒で採用されて横一線でスタートしたはずなのに、30年経つとあそこまで差が出るものなんだな。改めて日本企業って怖いなって思ったよ」

 これは筆者が以前、ある大手企業に勤務する学生時代の友人と食事をしていた時に、実際に聞いた話である。

 それまでの30年近いキャリアのなかで、50代の社員には大きな能力差が生じている。同期内でトップを走り続け、役員に任命される社員がいる一方で、役職定年制を導入している企業では、多くの役職者が50代中盤からポストオフを迎えはじめる。

 また管理職に昇格することができず、非管理職として社内にとどまり続ける社員がいる一方で、出向や転籍により社外に出る社員も増えていく。出向先や転籍先もさまざまだ。50代は、キャリアの悲喜こもごもが、それまで以上に明確に可視化される世代と言ってもいいかもしれない。

 また役職や給与だけでなく、本人の健康状態や家族の状況にも大きな差が生じており、ライフプランにおける仕事の位置づけも個々の状況によって大きく異なってくる。持ち家のローン返済を終えた50代社員もいれば、依然として賃貸住宅に住んでいる50代社員もいる。両親の介護問題を抱えている50代社員もいれば、自身の健康状態に不安がある50代社員もいる。

 このように50代社員は多様化している分、画一的な人事マネジメントが難しく、この世代に対して有効な人事マネジメントのアプローチを見いだせていない企業は多い。

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