世代別人事マネジメントのすすめ

30代「乗り遅れた」社員を目覚めさせる クレイア・コンサルティング 執行役員 ディレクター 橋本 卓氏

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 企業の人手不足感が強まるなか、優秀な人材をいかに育て、社内に引き留めるかが、一段と重要な経営課題になっている。その際に有効なのが、勤続年数や年代に応じた育成策や人事戦略だ。人事・組織改革で実績のあるクレイア・コンサルティングのコンサルタントが、世代別人事マネジメントの要諦を解説する。

キャリアに悩む30代社員

 あなたが朝、バスを待っているとしよう。もう来ているはずの時刻なのに、いっこうにバスは来ない。このままだと遅刻してしまう。こんなことなら、バスを待たずに歩いて駅に向かっていればよかった。もう少し待ってみようか。でも、あと10分待って来なかったら、いよいよ遅刻だ。駅に向かって今すぐ走り出せば、ぎりぎり間に合うかもしれない。そう、今ならまだ間に合う・・・。

 キャリアに悩む30代社員の心中を想像すると、こんな情景が思い浮かぶ。

 「バス」というのは本人が期待して待っている「何か」である。人によっては、自分に合った職業選択かもしれないし、社内での活躍・出世、あるいは年収・ステータスかもしれない。

 20代の頃は、様々な可能性や選択肢を信じているものだが、30代に入ると、自分の能力限界やキャリアの制約がある程度見えてきてしまう。自分が期待していたほどの未来が待っていないことを受け入れ、折り合いを付ける人もいれば、新しいキャリアを開拓するために転職や起業に踏み切る人もいる。

 30代社員は、いわゆる「就職氷河期世代」に重なる年代である。就職氷河期世代とは、有効求人倍率が1を下回った1993年から2005年に就職活動を経験した世代をいい、年齢でいえば30代前半から40代前半までの幅広い層が該当する。

 就職氷河期世代は、自らの志望や専門性とかけ離れた会社や仕事を最初の就職先に選ばざるを得なかった人が多い。その後、求人倍率が上向き始めると、多くの人が自分の希望する会社/自分に適した仕事に再挑戦しようと転職市場に飛び込んでいった。筆者の身の回りの事例を見ると、就職氷河期世代は最初の会社選びに失敗した経験から、最初の転職には慎重に取り組んだ人が多く、結果として1社目よりも良い企業(と世の中では見られる企業)に転職できた例が多いように思う。

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