激化する採用戦線 中小企業の戦い方

どうする内定辞退 間違った手法をしていませんか 採用コンサルタント 谷出正直

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親をハードルだと思うな

 最近の内定辞退の原因、特に中小企業やベンチャー企業で見られるものが「親に反対された」というもの。親の意見を尊重する学生は想定以上に増えています。親が入社を承諾しているか学生に確認する「オヤカク」という言葉が生まれたことも、この現象を裏付けるものです。

 親の生きてきた時代背景、価値観がありますので一概に否定することはできません。また、就活生の我が子との関わり方も異なります。

 しかし、見方を変えれば「親を味方につけると、入社の確度が上がる」のです。「親向けの会社説明会」「社長による家庭訪問」などを面倒だ、と思わずに採用担当者が学生の親に対して、ダイレクトに自社のよさをアピールできる機会だと考えてみてはいかがでしょうか。親は一度安心すれば、学生の入社を応援する心強いパートナーになってくれる可能性が生まれます。

 かつて私が支援した企業は、社長が親に向けて手書きの暑中お見舞いを届けたり、社内報を送ったりしていました。本人のみならず家族に対してもサポートをする、というメッセージはかつての日本企業のありかたにもつながります。

最後に、自分がどんな大人になりたいのか説明する

 就活生や、その親がイメージで企業を理解しがちなことは事実です。採用担当者は諦めずそのギャップを埋め、ある意味「学生を教育」していく必要があります。

 やらされた長時間労働がつらいのは当然ですが、社会人1年目から2年目は「将来目指すビジネスパーソン像」になるための自力をつける時間だと学生が自覚すれば考え方は変わります。1年は12カ月ありますが、仮に2年間、毎週土日休んでいる人と、土曜日は自分の勉強時間にあてる人には、大きな差が生まれてきます。その差は、得られる報酬にもいずれは差が出てくることを考えると、学生の働き方は変わってくるでしょう。

 今や新卒の採用活動は、変わりつつあります。実は、奇をてらった採用手法や、就職サイトまかせのマニュアル通りのやり方から、リクルーター制に代表される、昔の手法に戻りつつあるのです。 

 『入社後の未来を一緒に考えてほしい。一緒に作ってほしい』、このメッセージをトップ自ら学生と直接会い、伝えることができる、この中小企業の強みが今、求められているのです。

谷出 正直(たにで まさなお)
筑波大学大学院体育研究科修了。エン・ジャパンに入社。子会社へ出向を含め、新卒採用支援事業に約11年間携わる。経営者・採用担当者とともに『成果』にこだわる新卒採用活動を支援し、その後、企画、新規事業の立ち上げに従事。2015年末退職。採用マーケットを把握し、採用のあり方から考える採用コンサルや情報発信など行う。

キーワード:経営、企画、経営層、管理職、人事、人材、働き方改革、研修、学生

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