激化する採用戦線 中小企業の戦い方

どうする内定辞退 間違った手法をしていませんか 採用コンサルタント 谷出正直

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 そのためにも、選考フローや内容、基準、評価を可能な限り伝え、お互い納得できるようにすることが大切です。企業から積極的に、自社の価値観、理念、ビジョンを伝えること、つまり、様々な社員に会ってもらい、社員を通じて、自社の価値観、理念、ビジョンを伝えることです。

 変に自社をよく見せようとしても学生は気づきますし、選考のどこかで気づかれたときに、マイナスのイメージをもってしまいます。等身大の自分で学生と向き合うことをお勧めします。

「ブラック企業」を避けるという自己防衛策

 売り手市場の今年、2社以上の複数内定を持つ学生は6月1日の選考解禁日の時点で4割以上に上りました(出典 マイナビ)。当然、企業としては内定を出したなら、学生に入社を承諾してほしいもの。

 学生に承諾をしてもらおうと企業がやりがちなのが、先ほどもお伝えしたように内定を出した後に「豪華な食事でも行こう」など、華やかな演出をすることです。しかし、この効果はどこまであるのでしょうか。ニーズのない豪華なもてなしより、学生が何を不安に思っているのか、聞き出すことが内定承諾の早道です。

 中小企業に内定し、入社を迷う学生の不安には代表的なものが3つあります。

(1)業績は問題ないのか。将来、倒産の不安はないのか。

(2)教育体制はしっかりしているのか。育ててくれるのだろうか。

(3)住宅手当や子育て支援などの福利厚生や有給消化率はどうなっているのか。

 最近、増えてきたキーワードに、育児休業を取得できるか、があります。女性だけでなく、男性も興味を持っています。

 これらの疑問に共通するのは、「この会社は社員を使い捨てにする企業ではないだろうか」ということです。端的に言うと、「ブラック企業ではないかどうかを知りたい」のです。

 某居酒屋チェーンの過重労働問題が学生のなかで話題になったことからも、その思いは明白です。この学生の「ブラック企業アンテナ」に引っかかると、内定辞退の確率が格段に上がります。ブラック企業の定義は難しく、学生が考えるブラック企業と、社会人(社会)が考えるブラック企業には少し違いがあるように感じます。

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