激化する採用戦線 中小企業の戦い方

エントリーシートに「志望動機」いりますか? 採用コンサルタント 谷出正直

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 大学時代の「ガクチカ」で非常によくあるのは、「副部長でその場をとりまとめました」というものです。正直なんとでもいえる。

 以前、IT企業でエンジニア職の新卒採用をお手伝いしたときに、「中学時代に一番印象に残ったこと」という質問で運動部を経験した、という回答がある場合はチェックしておこう、と決めたことがあります。

 決めた背景は、求める人物像からの逆算です。この企業のエンジニアに求められるのは、年長者との人間関係。挨拶ができるか、わからないことを素直に聞けるか、チームワークを大切にできるか。活躍している社員の特徴を調べたところ、中学時代に運動部を経験していたことが当てはまりました。

 視点が少し違いますが、また別の企業では、約2万社もある新卒採用実施企業のなかから、自社を知ってほしい、理解してほしい、という思いから、エントリーシートでホームページを見て感じたことを率直に書いてください、という設問を入れたことがあります。これは書いてもらうことが目的なのではなく、ホームページを読んでもらうことが目的なのです。

 ホームページを読んでから説明会に参加してください。と伝えても多くの学生は、読んできてくれません。選考を通じて、徐々に見るようになるためです。ホームページに代表者の想いやメッセージを公開しているのであれば、エントリーシートで代表者のメッセージに対して感じたことを書いてもらうのもいいでしょう。中小企業であれば、社長の考え方にあわなければ、入社後、非常につらい状況になります。選考を通じて、学生に判断してもらうことが必要ですが、就活の早い時期から考えてもらい、極端に合わないと思えば、選考を受けないとなってもいいと思います。

学生のハードルをあげるエントリーシート

 エントリーシートは特に中小企業の場合、説明会の参加において、基本的に必要ないというのが大前提です。学生の応募を下げる結果につながるだけになる危険もあります。

 とはいえ、面接官のスキルがないから人となりを見抜くのが難しいから、何かしらの材料がほしい、というのはわかります。そういった場合、会社説明会の終了後に「アンケート」として、エントリーシートで聞きたい項目を簡易に尋ねるのはいかがでしょうか。これなら、学生の負担も少なくなります。また、項目の中に、今日の説明会で共感できたこと、できなかったことを記入してもらえば、説明会の内容が理解されているかの確認もできます。

谷出 正直(たにで まさなお)
筑波大学大学院体育研究科修了。エン・ジャパンに入社。子会社へ出向を含め、新卒採用支援事業に約11年間携わる。経営者・採用担当者とともに『成果』にこだわる新卒採用活動を支援し、その後、企画、新規事業の立ち上げに従事。2015年末退職。採用マーケットを把握し、採用のあり方から考える採用コンサルや情報発信など行う。

キーワード:経営、企画、経営層、管理職、人事、人材、働き方改革、研修、学生

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