激化する採用戦線 中小企業の戦い方

インターンシップで学生は採れますか? 採用コンサルタント 谷出正直

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中小企業はインターンを実施すべきか?

 ここまで、整理したところで本当にあなたの会社は「インターンシップ」を実施すべきなのか、問い直してほしいと思います。まず、「採用したい」のであれば、インターンシップが採用につながる割合は2割です(リクルートワークス研究所『就職白書2016』より「インターンシップ参加企業への入社予定状況」)。この確率を高い、と感じられるかどうか。

「就職白書2016 インターンシップ編」より出典 (リクルートキャリア)より

「就職白書2016 インターンシップ編」より出典 (リクルートキャリア)より

 実施する時期も大切です。3月から本格的に採用活動が始まるスケジュールのなかで、前の年の夏から就職活動を始める「優秀な」学生に早くアプローチしたい。早く活動する優秀な学生は、早々にほかに取られてしまう――。夏に実施する企業はそう考えます。ところが、引く手あまたな「優秀な」学生は、あなたの会社以外にもいくつもの「コマ」を持っています。入社してくれる確率は、決して高くないのです。「就業体験」ではなく「採用」が目的であれば、選考時期に近い2月のほうが、まだマシかもしれません。

 インターンシップをすれば当然、しないよりもコストがかかります。就職サイトでの募集告知や、説明会の会場費、プログラムを考える人的なリソース、学生を受け入れる現場の社員の負担、インターンシップ終了後からの学生へのフォロー......。そもそも、学生を受け入れても「働いている社員が、仕事は楽しくなさそうだ」と思わせてしまったら、マイナスの効果しかありません。学生の入社意欲を高めるには、社員がこの会社で働いていて楽しい、と思わせる環境であることが大前提です。「人手もお金もかけたけれど、結局うまくいかなかった」と落胆する結果を非常によくみかけます。自社の目的をかなえる手段で「インターンシップ」が本当に最適な解なのか。もう一度問い直してみてください。

谷出 正直(たにで まさなお)
筑波大学大学院体育研究科修了。エン・ジャパンに入社。子会社へ出向を含め、新卒採用支援事業に約11年間携わる。経営者・採用担当者とともに『成果』にこだわる新卒採用活動を支援し、その後、企画、新規事業の立ち上げに従事。2015年末退職。採用マーケットを把握し、採用のあり方から考える採用コンサルや情報発信など行う。

キーワード:経営、企画、経営層、管理職、人事、人材、働き方改革、研修、学生

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