激化する採用戦線 中小企業の戦い方

エントリー数追う採用活動、もうやめませんか? 採用コンサルタント 谷出正直

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 そこで大切なことが、「社員がこの会社(自社)を愛してくれているか」「あなたが今学生だとしたら、この会社(自社)に入りますか」という質問に「はい」と応えられるかどうかです。社員に協力を促すには、経営者であれば、社員を大事にしていることが不可欠になります。採用活動だけでなく、普段から社員を想い、社員も会社を想う、そんな経営を目指してください。

 仮にイヤイヤ「仕事だから」と社員が採用活動を手伝ってくれたとしても、社員が会社を愛していなければ、学生も見抜きます。社員が学生に会ったとき、その1時間のなかで学生が「入りたい!」と思ってくれるように心を動かせるかどうか。最初にあった社員が学生にポジティブな印象を与えられなければ、また別の社員がアプローチしなければなりません。

 最悪なパターンは、「この会社の社員は、魅力的でなかったから、入社は嫌だな」と学生に思わせてしまうことです。何人もの学生にアプローチしても採用できず、エントリー数を追い求める「数を追う」採用になってしまいます。

経営者が採用成功のカギになる

 誰が一番、学生の心を動かせるか。それはズバリ、経営者です。経営者に「想い」で勝てる人はいません。いっそ、「うちの会社を受けにきてくれる人は、全員社長である私が会う」と面接をするのもひとつのやり方でしょう。学生にとっても「この会社は本気だ」となります。

 「君は、なぜ働きたいと思っているの」「私が、この会社を創業したのは、こういうことを実現したいからだ」と一番思いを伝えられるのは創業者です。自社のことを好きかどうかもわからない人からいわれても、学生はピンときません。

 採用するときの流れは、まとめると

(1)トップが採用の目的を決め、社員に伝える

(2)採用したい人物像をしぼる

(3)人物像に応じたプロモーション、伝え方を検討する

 です。一番大切なことは、まず経営者が今働いている従業員を大切に思い、未来の従業員を育てるために社員に協力してもらうことです。新卒採用は、その環境づくりができているかを知る機会でもあります。採用活動に社員があまり協力してくれない、それはトップの想いが伝わっていない証拠かもしれません。

谷出 正直(たにで まさなお)
筑波大学大学院体育研究科修了。エン・ジャパンに入社。子会社へ出向を含め、新卒採用支援事業に約11年間携わる。経営者・採用担当者とともに『成果』にこだわる新卒採用活動を支援し、その後、企画、新規事業の立ち上げに従事。2015年末退職。採用マーケットを把握し、採用のあり方から考える採用コンサルや情報発信など行う。

キーワード:経営、企画、経営層、管理職、人事、人材、働き方改革、研修、学生

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