激化する採用戦線 中小企業の戦い方

エントリー数追う採用活動、もうやめませんか? 採用コンサルタント 谷出正直

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 また、経営者がこの会社をどんな風にしたいか、という「未来の絵」も大切です。特に「明日にでも、この仕事ができる人がほしい」という中途採用と違い、新卒の場合、インターンシップ期間を含めて、新卒採用活動と考えるなら、採用する学生が入社するのは採用活動を始めてから2年後です。

 ちょうど今月1日から2018年度卒 新卒採用のインターンシップの告知、募集が始まりました。彼らの入社の時期は約2年後の18年4月です。「その時期には100人から120人に組織が大きくなるから、そのなかにこういう人材がほしい」という考え方です。「今すぐほしい人」を考えると、誤る可能性があります。

ターゲットに応じたプロモーション作り

 次に、どんな人を採りたいか、その軸を決めます。そこでプロモーションが大きく変わります。「誰でもいい」「普通の常識ある人なら」、と謙虚なつもりで考える人事担当者もいるかもしれません。しかし、これではターゲットがぼやけてしまい、ほしい人材に想いを届けられません。

 「優秀な人にとにかくきてほしい」、と万人受けするPRは、学生から聞いても「どこかで聞いたことある」ものになります。しかし、ターゲットが決まれば、「その層に届くPR」が決まってきます。 

 たとえばタクシーのドライバーは、日勤もあれば夜、連続して勤務し連休をまとめてとる、という働き方ができます。バンド活動をしたいという夢がある人にとっては天職になるかもしれません。誰をとるか、ということと自社の強みが一致すれば、採用が可能になります。

 性別でも、気になる項目が変わります。女性であれば、結婚・出産・育児の過程でどんなキャリアが歩めるか、ということは非常に気になります。都市部の学生か、地方の学生かでも変わります。説明会を東京だけでやるのか、地方都市に主眼をおくのか。誰をとるのか、その人物像によってプロモーションの設計は変わります。

 1人~3人ほどしか採用しない中小企業の場合、俗人的に「会いに行く」という手段も有効です。体育会の学生は企業に人気ですが、会いたいならまずその場にいけばいいんです。ナンパのようですが、ネットワークがなければ話しかける。1年目でそのルートが作れれば、2年目からはそのルートを安定して使えます。採用活動はどうしても、単年で考えられがちですが、そのルートを作るには2年、3年かかります。ルートがあれば、お金を払わずに採用することが可能になります。

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