激化する採用戦線 中小企業の戦い方

中小企業は八方ふさがり... 2017年の採用市場 採用コンサルタント 谷出正直

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 大前提として今年の新卒採用は中小企業にとってさらに厳しい状況にあります。大手企業でも、学生確保への厳しさを耳にします。そもそも各社が採用に積極的になっているということ。そして、去年とスケジュールが違う。昨年は、経団連に加盟する企業は、3月広報解禁、8月選考開始というスケジュールでした。

 ところが、就職活動の長期化が問題視され、2017年卒では広報解禁日はそのままですが、6月1日に面接などが始まるスケジュールです。学生にとってもそうですが、去年の実績が参考にできない。基準がないので、うまくいっているのかわからないまま、手探りで「一生懸命」やっている、というのが大手企業でも実態だと思います。

経営者が採用をどう位置づけているか

 さらに、このスケジュール変更により、企業を知ってもらうための期間である「広報期間」が5カ月間から3カ月間と、かなり短くなりました。売り手市場と短期化により、大手企業も大量のプロモーションをかけ、手法をこらした説明会をやって学生を呼び込んでいます。超人気企業といわれる資生堂や住友商事などは、社長自らが、学生向けの説明会に登壇しています。学生は、中小企業に目を向ける機会が少なくなっているのです。

 また、今年はリクナビ、マイナビへの登録企業数が激増しました。そのため中小企業は埋もれてしまい、学生に見つけてもらえなくなりました。3月は、多少はエントリーがあったけれど、今は動きがパタッと止まりました、という声が多い。もし、中小企業に目を向けてくれたとしても、何万社という企業の中なので、学生に気づいてもらうことが難しいのです。

 新卒採用を成功させる上で大切なことは、経営者がどう新卒採用を位置づけているかです。採用は全社的なもので、会社として非常に大切なことだ、と考え、伝えているかどうか。そうすることで、社員が自発的に、積極的に動いてくれたり、一次面接を手伝ってください、と部門長に言うだけで若手社員を調整してくれたり、と働きやすくなります。

 この厳しい環境のなかで、中小企業の採用担当者は何をやらなければいけないのか、これから複数回にわたって伝えて行きたいと思います。私は本当に優良な中小企業にとっては、新卒採用はチャンスだと考えています。実際、規模にかかわらず優秀な学生を採用できた企業もあるのです。戦う武器をひとつひとつ、紹介していきたいと思います。

谷出 正直(たにで まさなお)
筑波大学大学院体育研究科修了。エン・ジャパンに入社。子会社へ出向を含め、新卒採用支援事業に約11年間携わる。経営者・採用担当者とともに『成果』にこだわる新卒採用活動を支援し、その後、企画、新規事業の立ち上げに従事。2015年末退職。採用マーケットを把握し、採用のあり方から考える採用コンサルや情報発信など行う。

キーワード:経営、企画、経営層、管理職、人事、人材、働き方改革、研修、学生

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