激化する採用戦線 中小企業の戦い方

中小企業は八方ふさがり... 2017年の採用市場 採用コンサルタント 谷出正直

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 新卒採用の場合、120万円あれば、「リクナビ」「マイナビ」に代表される就職サイトを利用することができます。もしそこで3~4人採用すれば、採用費用は一人当たり、30万~40万円ですむ。今、注目を集めている、企業から学生へ直接アプローチができるスカウト型サービスであれば成果報酬で50万円程度/1名が平均です。アイプラグ(大阪市)が運営するオファーボックスのように、成果報酬で30万円/1名のサービスもあります。

 1人の採用であれば求人広告を出すのは高い、となりますが、新卒の場合、同世代で切磋琢磨しあえる環境を作ること、早期の離職を防ぐことなどを考えると、採用人数が3人からというのが一番多いように感じます。また入社前後の研修も、1人を教えるのも3人に教えるのもコストは大きく変わりません。

 入社後の人件費という観点で見ても安くなります。厚生労働省が発表した、2015年度の大学初任給は約20万円です。「安くて若い」労働力を求め、新卒に向かう経営者がいるのもまた事実でしょう。

「思った以上に厳しい」...現実は甘くない 

 今、6月1日を目前にして、「うちの採用はどうなんだ」と経営者から問われたり、ドキドキしたりしている採用担当者も多いのではないでしょうか。

 私が見ているかぎり、中小企業の皆さんの動きは、大きく2つのようです。6月の大手の採用活動が終わってから動く、というところと、それより前に動き内定を出して、少しでも学生が辞退せず入社につながるように動くところです。ところが、今年は、前半から動いている企業からは、当初の計画よりうまくいっていない、という話をちらほら聞きます。経営者のなかには、大卒有効求人倍率が低かった、いわば採用がしやすかった時期の採用経験をもとに「昔はおカネをかけず20人とれた。今年も採用できるだろう!」という人がいてもおかしくはありません。

 しかし、中小企業の人事担当者は、多くの場合、専任ではありません。採用ノウハウもないなかで予算も厳しく、社内の協力も得づらく、疲弊している人も多いことでしょう。そもそも、「総務」として会社のさまざまなことを担当し、その年しか見ていない、見られないケースがほとんどだと思います。しかし、採用トレンドは毎年変化していく......。

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