激化する採用戦線 中小企業の戦い方

中小企業は八方ふさがり... 2017年の採用市場 採用コンサルタント 谷出正直氏

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 明日6月1日はいよいよ、2017年卒の採用選考の解禁日。リクルートワークス研究所が発表した大卒有効求人倍率は1.74と、前年に引き続き高い水準だ。売り手市場が続くなか、中小企業の採用難が続いている。「知名度なし」「社員協力なし」「予算少ない」と八方ふさがりで悩む採用担当者も少なくない。採用コンサルタントの谷出正直氏が採用戦線を戦い抜くポイントを紹介する。

新卒に熱い視線が集まる理由

売り手市場が進むなか、従業員数300人以下の中小企業は特に採用意欲が強い

売り手市場が進むなか、従業員数300人以下の中小企業は特に採用意欲が強い

 ここ数年、従業員の規模が300人以下の中小企業の多くが、「新卒学生を採用したい」と採用意欲を高めています。大卒有効求人倍率の調査によると、リーマンショック後、中小企業の求人総数は約26万~27万人で推移してきましたが、2016年卒、2017年卒は約40万人を超えるようになりました。

 これまで、中小企業の採用といえば、中途採用が中心でした。今、なぜ新卒に向かっているのか。大きく2つの理由があります。1つは、景気の上昇にともない、「新しい風をいれ、自社の文化を継いでくれる思いを共有できる仲間がほしい、中長期的な視点で経営をしていこう」という企業が増えています。

 中途人材は、なんといっても即戦力になるので売り上げ貢献につながりやすいのですが、「成果につながることしかやらない」「前職の仕事の進め方をしようとする」という課題が起こりがちなのも事実です。

 もう1つは、労働力の不足です。リーマンショックが起きた2008年前後に、採用を停止していた企業が、人材の確保に向かっています。即戦力人材の中途採用の場合、一般的に年収の3割程度の手数料を人材紹介会社に払います。年収400万円で人を採用しようとすると、120万円の費用がかかることになります。

 しかし、より多くの企業が採用をしようと考えているため、手数料を3割と設定しても経験者を採ることが難しくなっています。そうすれば、経験者の採用から、未経験の若手、第二新卒や既卒、新卒という選択肢へと広がっていきます。八方ふさがりの状況から新卒を採る、という企業も増えているのでしょう。

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