この時代を乗り切るワークスタイル改革

眠れる「主婦の力」無理なく引き出す ソフトブレーン・フィールド社長 木名瀬 博氏

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――どうして、このような仕組みを思い付いたのですか。そして、他社はどうしてまねできないのでしょう。

生活に合わせて仕事を用意

 私はもともとアサヒビール時代に、子会社で売り場サポートをする業務に携わりました。1500人くらいの主婦の方をスタッフとして抱えていたのですが、一番悩んだのが、やる気のある人をどう正当に評価するかでした。当時は時給いくらで賃金を払っていましたので、成果をあげた人からは不満が出ていました。活動に応じてポイントを付与したりしましたが、雇用契約を結ぶ以上、賃金に大きく差を付けるのは難しかったのです。

 一方で、家事や育児で忙しく、働きたいけれども時間に制約がある主婦の方も大勢いました。せっかく持っている能力をなんとか引き出せないか。そこで、仕事の内容を細かく分けて定義し、それに応じて報酬を決めることにしたのです。もちろん、仕事の内容や報酬はクライアントであるメーカーや小売店と議論して決めます。定められた仕事をちゃんとやっているかどうか、効率的にチェックする仕組みも整えてきました。13年間の実績やノウハウを積み重ねて、今の仕組みと全国規模のネットワークを作ってきましたので、他社がまねをしようとしても、そう簡単にはできないわけです。

――最近は人手不足で主婦の方にとっても働く場所の選択肢は増えています。ソフトブレーン・フィールドのキャストに登録するのはどんな方が多いのですか。

 当社のキャストはもともと企業で働いた経験がある方が多いです。また、それまで主婦をしていたということは、ある程度、家計に余裕があることも想像できます。余裕がなければ、どんな条件でも働く必要が出てきますからね。逆に言えば、生活を犠牲にしてまで働く必要は感じていない。ですから、働ける場所、時間、内容をこちらで用意しなければ、外に出て来てくれません。そのかわり、やると決めた仕事に対する責任感やモチベーションは非常に強い。希望に合う仕事を用意すれば、ものすごいパフォーマンスを発揮してくれます。だから、クライアントの満足度も高く、クレームはほとんどありません。

 実はこうした「眠れるハイパフォーマー」の女性は多いのではないかと思っています。生活に余裕がなく、仕事を選ばず働く必要のある方。一方、元の職場に復帰したり、新しい会社に再就職したりしてフルタイムで働く方。その中間に位置する方々と言ってもいいでしょうか。そうした才能や能力を眠ったままにしておくのは実にもったいない。だからこそ今の会社を立ち上げたと言っても過言ではありません。

――もともと潜在能力の高い方が登録しているということですが、何千、何万人というキャストの能力を一定のレベルで維持するのは大変だと思います。どのような人材育成策を取っていますか。

 まず、やればやるほど能力が高まる仕組みを作っています。約6万人いるキャストのうち、非常にレベルの高い仕事ができる人は3000人、約5%ほどです。この層はもともと能力の高い方が多い。その他の方はどうするかというと、能力のレベルに応じて仕事を用意しています。例えば最近、一般のお客さんが店舗で商品を買ったレシートをスマホなどで撮影して送ってもらい、なぜ買ったかを聞き取る事業を始めました。そのレシート画像の日付や店名などをチェックする仕事なら、在宅でもできますよね。単価は安いですが、こうした仕事をたくさん用意して、徐々に仕事のレベルを上げてもらっています。

 もう一つは当社の社員によるサポートです。社員は70人ほどいますが、うち7~8割がキャストのサポートや業務運営に携わっています。わかりやすいマニュアルを作成したり、キャストが働きやすい環境を整えたりする工夫を重ねています。最近はネットを介して仕事と人をマッチングさせるクラウドソーシングが広がっていますが、品質の維持が課題になっているようです。私たちの仕組みは、業務を発注する側と受ける側の間に当社が入り、業務内容に応じてキャストに発注するので、企業は安心して任せられます。

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