この時代を乗り切るワークスタイル改革

ヤフーが問い直す「最良の成果生む職場」 ヤフー 上級執行役員 コーポレート統括本部長 本間浩輔 氏

記事保存

日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。

 とはいえ、労働生産性を正確、かつ公平に測定する有用な方法があれば、測定することも視野に入れるべきだと思います。この部分は「トライ&エラー」を繰り返しながら模索していきたい。

 ちなみに、「どこでもオフィス」の導入にあたって特別なツールは利用していません。チャットやオンライン会議は、マイクロソフトの「Skype for Business」を利用しています。社内掲示板は従業員が独自開発したものを利用していますが、「どこでもオフィス」のための特別な機能が備わっているわけではありません。

ルーティンワークはAIやアプリで自動化すればいい

――労働生産性の向上の一環として、AI(人工知能)の活用にも言及しています。具体的にどのような活用を想定しているのでしょうか。

 これまでの業務を見直してみると、AIやアプリで自動化できるものはたくさんあります。たとえば、以前は議事録の作成は人間の仕事であり、時間のかかる作業でした。しかし、今は音声入力アプリを使えば、音声がそのままテキストに変換されます。また、手作業で数字を入力していた経費精算も、画像認識機能があるアプリを利用すれば、領収書の数字をデジタル化し、システムに取り込むことができます。こうした単純なルーティン作業は、AIやアプリにやらせればいいのです。そうすれば人間は、よりクリエーティブな作業に時間を使えます。

 ヤフーは技術者を多く抱えたIT企業ですから、「イノベーションを実現し、会社が継続して利益を生むための効率的な手段は何か」を常に考えています。創造性を養い、新たな発想を得るためには、ルーティンワークを最小限にして、自由な時間を確保する必要がある。その一環として検討を始めているのが「週休3日制の導入」です。

――週休3日制の検討は大きなニュースになりました。ルーティンワークをAIやアプリが担うことで、会社は実働週4日でも成長できるということでしょうか。

 誤解のないように申し上げますと、週休3日制は、従業員の労働生産性を向上させるより従業員の豊かな生活や幸せを追求していく施策の一環として検討を始めた段階です。全従業員に対して「週休3日を適用する」という意味ではありません。

 従業員の中にも様々な意見があります。給料が下がっても週休3日がよいという者もいれば、6日働くからそのぶん報酬が欲しいという者もいます。また、週休3日に賛成でも、出勤日の4日間は10時間働きたいという者もいます。そうした要望に会社がどう応えていくか。重要なのは、「会社のルールに従業員を当てはめる」のではなく、「従業員が働きやすい仕組みを会社が構築し、選択肢を提供すること」だと考えています。

 一例を挙げると、ヤフーは新幹線通勤を認めています。これは遠方の実家からでも通えることを考慮した制度です。現在、従業員の平均年齢は35歳で、子育て世代も多い。しかし、今後は親の介護を担う従業員も増えるでしょう。そうした場合に従業員が多様な働き方を選択できるようにしたい。その選択肢の1つとしての「週休3日」です。

閲覧履歴

    クリッピングした記事

    会員登録後、気になる記事をクリッピングできます。