この時代を乗り切るワークスタイル改革

変わりゆく仕事観、若手が願う「自分と会社のあり方」 ソニックガーデン代表取締役社長 倉貫義人 氏

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 そもそも「管理する」ことは、「予定された仕事をこなしているか」を確認することです。昔のように同じ事を繰り返している会社であれば、経験値の高い上司は部下を管理できるでしょう。しかし、ソフトウエア開発の技術は急速に変化しています。5年前の技術知識では顧客と話ができません。つまり顧客の状況を一番理解し、技術を磨いているのは、顧客の顧問として仕事をしている現場のエンジニアたちなのです。状況を理解していない上司が間に入って管理すれば、それは単なるボトルネックです。

――だからセルフマネジメントできる人材に対して管理は不要だと...。

 ソニックガーデンには、売上目標もノルマもありません。メンバーの一人ひとりが自分のお客様を満足させられれば、会社は社員に給料を支払う以上の利益を確保できます。ですから、メンバーが良い仕事をしていれば、会社を維持できます。そういった意味では、全社員が管理職のようなものです。

 私のスタンスは、「会社の規模は結果であって、目標にするものではない」という考えです。規模を目標にするよりも、社員の皆が幸せに働けることを目標にしています。無理をして働いて高い報酬を得るよりも、自分の好きな仕事を、一緒に働いて楽しい仲間と進め、お客様に喜んでもらうことのほうが重要だと考えています。こうしたことを実現できるのは、真面目で信頼でき、かつコミュニケーション能力が高いメンバーを採用しているからです。

「会社と社員の関係性は変化していると思う」

――人材を見極めるコツは何でしょう。

 ソニックガーデンの採用方針は、人間性ありきの「people first」です。つまり、「良い人がいれば採用するが、いなければ採用しない」ということです。これはリモートチームを成功させるために重要な要素です。

 中途採用の場合には、半年から1年の時間をかけて、複数回の面接やプログラミングの課題を提出してもらいます。さらに、読書感想文や「あなたの人生で大切なもの」といったテーマで作文を書いてもらい、それをもとにお互いの価値観を共有します。「コイツとなら利害関係を超えて協力できるな」と心から思えるメンバーでなければ採用しません。

 今後は少子高齢化で、労働人口は減っていきます。私自身を含めた「ロスジェネ」と呼ばれる世代には、高度成長期やバブル期の世代ように「がむしゃらに頑張れば毎年お給料が上がり、悠々自適の老後が待っている」というライフプランはありません。むしろ、一生働き続ける可能性のほうが大きい。そうであれば、自分が好きな仕事を、信頼できる仲間と一緒に、無理なく続けられる環境のほうが大切だと考えています。リモートワークはそうした施策の1つなのです。

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