この時代を乗り切るワークスタイル改革

変わりゆく仕事観、若手が願う「自分と会社のあり方」 ソニックガーデン代表取締役社長 倉貫義人 氏

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 リモート環境であっても、コミュニケーションツールをうまく使えば、こうした課題を解決できます。そのために気をつけたのは、情報格差の解消です。どこで働いていても情報や会話を全員で共有できる仕組みをつくり、「チームとして一緒に仕事をしている」という実感を持てるようにしました。

むしろ、リモートワークによって連帯感が強くなった

 ソニックガーデンでは、バーチャルオフィス・システムの「Remotty(リモティ)」を開発して日常の仕事に活用しています。ここでは、メンバー同士のチャットを社員全員が閲覧できる仕組みになっています。ですから、経営者・社員がどこにいても会社の様子を把握し、何が起こっているのかを理解できるのです。

 物理的なオフィスだったら、社員のやり取りすべてに耳を傾けることは不可能ですよね。しかし、バーチャルオフィスのチャット上ではそれが可能です。雑談も含めた会話や情報をオープンにすることで、お互いに助け合える一体感ができる。むしろリモートワークによって、メンバー同士の連帯感が強くなったと感じています。

 もう1つ、バーチャルオフィスでのコミュニケーションによって変化したのは、会議のやり方です。今までは1時間かけて議論していた内容も、短時間で結論が出るようになりました。これは人間の心理的なものだと思うのですが、1時間の会議時間を予定したら、議題をすべてこなした後も話をしていることが多い。ところが、テレビ会議だと議論が終わったら会議も終了します。物理的な制約を外したら、本質だけが残ったんです。

 こうした会議内容はすべて録音し、全社員で共有しています。音声を聞くとその場の雰囲気がよくわかる。議事録を作成するよりも効率的です。私自身、自分が参加していない会議の録音を、電車の中やウォーキングの最中に聞いています。

――倉貫さんは「管理するよりも自由裁量にしたほうが、社員の生産性が高くなる」と考えているそうですが、リモートメンバーの勤怠管理はどうしているのでしょうか。

 ソニックガーデンのビジネスモデルは、「仕様を決めたソフトウエアを納品する」という一般的な受託開発とは異なります。毎月定額の開発費用をいただき、お客様のニーズに合わせて、継続的なソフトウエア開発と運用をサービスとして提供する「納品のない受託開発」モデルです。ですからソニックガーデンの社員は、顧客企業のシステム開発・運用を担当する「顧問エンジニア」のような役割を担っています。

 こうした仕事はクリエーティブな知的労働です。社員は自分の仕事が好きで、エンジニアとしての誇りをもって働いています。お客様が抱える課題を伺って最良の解決策を考え、プログラムを作る。お客様の満足度が自分の評価と報酬に直結するのですから、言われなくても仕事をする、セルフマネジメントができる人材です。そうした人材に対し、「アメとムチ」で管理しても、生産性は向上しません。

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