この時代を乗り切るワークスタイル改革

変わりゆく仕事観、若手が願う「自分と会社のあり方」 ソニックガーデン代表取締役社長 倉貫義人 氏

記事保存

日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。

 ただ、東京と兵庫で別々に暮らしている人同士で、「どうやって信頼関係を築けばよいのか」という点は悩みました。

 そこで、最初の3カ月間は東京と兵庫を行き来して、「半単身赴任」のような働き方をしてもらったり、逆に既存メンバー全員が兵庫で合宿をしたりしました。この間にお互いの理解を深めることができたので、彼をチームメンバーに迎えることに決めました。「中途採用のリモートワークメンバーと信頼関係を構築できたこと」、これが3つめのターニングポイントです。

――海外で暮らしたいからリモートワークを始めた、というのは面白いきっかけだと思います。ただ、実際にリモートワークを始めるとなると、色々な問題が起こる可能性があります。導入にあたって、どのような点に留意したのでしょうか。

 まず、どこで働いたとしても「待遇格差」が生じないようにしました。リモートワークのメンバーと東京オフィス勤務のメンバーの間で待遇の格差があると、それが原因で離職してしまうかもしれません。そうしたことがないよう、待遇をすべてフラットにしました。もちろん社員の給料は、全国統一で東京水準です。

毎日午後4時ごろに洗濯物を取り込む社員

 また、最初は社長である私が率先してリモートワークを実践しました。「通勤時間のストレスがなく、メンバーの一人ひとりが、働きたい場所で働いて生産性を向上させる」ことがリモートワーク導入の目的です。しかし、東京オフィスのメンバーが「社長が出社しているからリモートワークがしにくい」と気を遣うようであれば、それは会社としてもマイナスです。

 実際、リモートワークを導入し、メンバーの働き方が変わったなと思うのは、「オン・オフの切り替え」を各自でコントロールできるようになったことです。

 日本の会社員の場合、オン・オフの切り替えは「出社・退社」の1日2回でしょう。しかし、自宅で作業しているメンバーは、1日に何度も「オン・オフ」を切り替えられます。人間の集中力は、何時間も続きません。例えばある地方のメンバーは、毎日午後4時ごろに20分オフになる。洗濯物を取り込んでいるんだそうです。職住近接になったことで、オフの時間に家事をこなし、頭を切り換えて仕事をする。会社の規則に合わせて生活をするのではなく、自分の生活に合わせた働き方ができる。そうした柔軟性を得られたメリットは大きいですね。

――ワークライフバランスをとっているのですね。ところで、リモートワークだと、離ればなれのメンバー同士がうまくコミュニケーションできるのかと気になります。

 リモートワークを導入して実感したのは、「同じ場所で働く=チームとして働いている」ではないということです。チームワークの根幹を担うのは「お互いの信頼関係」です。物理的に同じ空間で仕事をしていても、会話が少なく、隣のメンバーが何をしているのか知らないケースが少なくありません。これではチームワークが成り立ちません。

閲覧履歴

    クリッピングした記事

    会員登録後、気になる記事をクリッピングできます。