転職に向いている人 転職してはいけない人

日本人独特の「謙譲」が転職のチャンス逃す 黒田真行

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相手企業が確かめたいのは「成果の再現性」

 外資系企業では、昇格にあたって「コンピテンシー・インタビュー(適性面接)」が行われ、これまで取り組んだこと、自身の強みなどを伝える機会があります。この場では、過去に生み出した成果をさらに高次元で再現できるかどうかがチェックされるため、試される側も相手を納得させられるだけの素材を準備し、アピールします。結果として、自身の仕事の成果を具体化して第三者に伝える力が鍛えられていきます。

 一方、日本企業1社に長く在籍していると、そうした機会が少なく、なかなか自己アピール力が育ちにくいようです。しかし、採用面接では自己アピールを適切にできるよう準備しておくことは不可欠です。山室広幸氏は「『成果の再現性』を意識してほしい」と語ります。

 「例えば、人事スペシャリストが前の会社で新たな人事制度を構築した経験をアピールする場合、外部の専門コンサルタントの協力を得たのか、自身で設計から導入まで手がけたのかで、その経験の価値は大きく変わってきます。私が見てきた会社では、『コンサルタントに頼るのが嫌い。すべて自社内で行う』という主義の経営者もいました。そうした企業に応募する場合は、外部業者をコントロールするマネジメント力よりも、自身で推進する実行力をアピールしてこそ『前職での成果を自社でも再現してくれそうだ』という評価を得られるわけです。応募先企業に合わせ、その会社での『再現可能性』を伝えることを心がけていただきたいと思います」(山室広幸氏)。

 また、プロフェッショナルなキャリアコンサルタントが口をそろえてアドバイスするのは「自身の業績を過大評価も過小評価もせず、事実をありのまま具体的に伝えるべし」ということ。

 「採用選考に臨む際には自分を大きく見せたくなりがちですが、等身大の自分でいたほうがいい。大上段に構えた状態で採用されたとしても、入社後に苦労します。等身大の自分を受け入れてくれる会社を探すべきであるし、本当に成果を上げてきた方であれば等身大でも十分迫力があるのですから」(中村一正氏)。

黒田真行 著 『転職に向いている人 転職してはいけない人』(日本経済新聞出版社、2017年)「第3章 転職を真剣に考える人のガイドマップ」から
黒田真行(くろだまさゆき)
1965年生まれ。1989年、関西大学法学部卒業後リクルート入社。B-ing、とらばーゆ、フロム・エーの関西版編集長などを経て、2006年から8年間、転職サイト、リクナビNEXTの編集長を務める。2011年以降は、メディア事業と人材紹介事業の再編に関わり、転職市場のデータベース化とプラットフォーム化を推進してきた。2014年6月、株式会社リクルートキャリアを退職。中途採用市場の積年の課題であった「ミドル世代の適正なマッチング」をメインテーマと設定し、ルーセントドアーズ株式会社を設立、代表取締役に就任。

キーワード:管理職、プレーヤー、企画、人事、働き方改革、人材

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