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日本人独特の「謙譲」が転職のチャンス逃す 黒田真行

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日本人独特の「謙遜」でチャンスを逃す人も

 一方、渡部洋子氏が目の当たりにした転職希望者の事例にはこのようなケースがあります。

 「Fさんは、国内大手企業の経営企画部門に在籍し、ある企業のM&A(合併・買収)からその後の統合までのプロジェクトを手がけた方でした。Fさんは某企業に興味を持って、採用面談に臨みました。面談担当者がM&Aおよび統合業務の経験について『それは大変だったでしょうね。ところで、Fさんは具体的にどんなことをされたのですか』と尋ねたとき、Fさんはこう答えたのです。

 『いやいや、部下たちが大変優秀でして。おかげさまで、皆さんに助けられて何とかやり遂げることができました』

 Fさんはご自身の役割や行動を語ることなく、結局、採用を見送られてしまいました。日本の大規模組織においては、『チームワーク』を重んじ、『自分が自分が』でなく『みんなで力を合わせて』を価値とする風土が根付いている企業も多くあります。Fさんは、自分がリーダーとして果たした役割をしっかり伝えるべき場面でも『謙虚』な話し方をする習慣から抜けられなかったせいで、チャンスを逃してしまったのです。

 多くの人が関わるプロジェクトは、組織の総合力によって目標達成に導かれていることも現実的にあります。しかし、その人の力があってこそ前進したこと、突破できたこともあるはず。Fさんの場合であれば、M&A先の企業にどんな課題があり、そこでそれぞれメンバーとどう関わり、自分がどのようにリーダーシップを発揮したのか、具体的に語ることで、Fさんならではの強みを伝えることができたでしょう。経験したことを振り返り、自身の能力を客観視すること、それを言語化しておくことはとても大切です」(渡部洋子氏)。

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