石川善樹の「脳とうまく付き合う法」

旅を設計することは、人生を設計することである 訪日外国人向けツアーなどをてがける 佐々木文人氏に聞く

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石川 確かに、海外ではとりあえずノープランで現地に飛んでから旅行プランを考える人も多い。東京にも、そういう人が気軽に相談できる場所を作りたかったわけですね。

「砂町銀座」にハマる外国人

佐々木 ええ。外国人向けに安く泊まれるゲストハウスを東京に確保して、そこで宿泊ツアーも売れれば理想的じゃないかと考えました。そこで、まずは既存のゲストハウスの様子を知るために、6カ月くらいバイトをして、受付やトイレ掃除などをやりました。その間も、一緒に会社を立ち上げたパートナーと2人でゲストハウスになりそうな物件を探したんですが、なかなか見つからない。見つかっても、改修に数千万円もかかるという。これではらちが明かないので、2015年に取りあえずツアー販売から始めることにしました。

石川 それが冒頭に話した「Tokyo FooDrink Tour」ですね。実は先日、僕も一緒にこの食べ歩きツアーに参加させてもらいました。どんな観光地を巡るのかと思ったら、砂町銀座という商店街だったのでびっくりしました。

佐々木 日本のローカルな場所を見たいという外国人には「刺さる」んですよ。入り口の天ぷら屋から始まり、いなり鮨、おでん、メンチカツ、お酒......。中にはお茶を自分で淹れさせてくれるお店もあります。こういう地元の人との触れ合いが外国人にはうれしい。しかも安いうえに、揚げたてだから「日本で食べた中で一番おいしい」と言ってくれます(笑)。

石川 砂町銀座って最寄りの駅からも距離があり、団地に囲まれて、普通はたどり着けない場所ですよね。

佐々木 バスに乗ることも外国人にとっては1つのアトラクションです。商店街を選んだのは、僕自身が海外を旅すると必ず市場に出掛けていたから。東京でローカルなお店を回るなら商店街がいいと思い、いろんな本を読んだり、実際に足を運んだりして、ここが一番楽しめそうだなと感じました。クルマも通らないし、ゆっくり歩いて回れるし、美味しいし。

石川 食べ歩きツアーというアイデアも面白いですよね。

佐々木 単純にプライベートツアーで都内を1日案内する業者はたくさんありますので。ただ、最近は食べ歩きツアーも競合が激しくなってきました。僕たちはどこを回るか、そして、ガイドがどこで何を話すかが、外国人の満足度に大きく影響すると考え、ガイドの育成には力を入れています。

 例えば、日本でガイドをやってる人は自分の興味があるテーマの話を押し付けがちです。でも、「このお寺は何年に誰が建てたんです」と知識を披露しても、大抵の人は5分後には忘れます。逆に自分の興味があることを教えてくれれば、印象に残りますよね。それと、基本に忠実に話しつつ、独自の色を出してもらうことも大事です。これはかなりの経験と訓練が必要になります。

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