石川善樹の「脳とうまく付き合う法」

旅を設計することは、人生を設計することである 訪日外国人向けツアーなどをてがける 佐々木文人氏に聞く

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佐々木 英語は今もそんなに話せるわけじゃないですが、南米とかアジアとか非英語圏で英語を話すことで、ある程度話せるようになりました。お互いわからない同士でがんばって会話すると度胸がつくんですね。アメリカでは、こちらが聞き取れないと強い口調で「What?」と聞かれて、シュンとなってしまい、自信をなくしてしまう(笑)。

英国貴族の「グランドツアー」を日本でも

石川 よくわかります。僕も米国に留学してすぐの頃、ファストフードでこんなことがありました。サンドイッチに入れる具材の名前がわからず、とにかく全部入れてほしいと頼んだら、すごく大きなサンドになってしまった。そのあと、「for here or to go?(店内ですか、持ち帰りですか)」と言われたんですが、全く聞き取れない。何度も聞き直してようやく聞き取れたけど、意味がわからない。そうしたら、店員のおばさんがぶち切れて、包丁をまな板に突き立てて怒ったんです。それ以来、いまだにそのチェーン店には入れません(笑)。

佐々木 海外コンプレックスは南米で解消せよ、ですね。南米の人はスペイン語で「Ola!」と挨拶すれば、すぐ「Amigo!」と返してくれます。

石川 1年間世界を回って、日本に帰ったときはどう思いましたか?

佐々木 成田空港に降りる飛行機の中から見えた水田の美しさに涙が出そうになりました。きれいだし、治安はいいし、住むには最高だと、あらためて思いましたね。

石川 イギリスでは17~18世紀に、裕福な貴族の子弟が学校を卒業する際に長期間、海外を旅行する「グランドツアー」がはやりました。教養を身に付けるのが目的です。日本でもやった方がいいと思いますね。ちなみに、僕はいま、自分が学問というグランドツアーの途上にいるんだと思っています。どの分野の研究が面白いか、大事なのか、50歳までは決めずにいろいろと見て回る。50歳になったら本気でやろうと。話が少しずれましたが、文人君は世界旅行に行く前から、起業のアイデアを考えていたんですか。

佐々木 観光で何かやりたいとは考えていました。知ってるか、知らないかを縦軸に、興味があるか、ないかを横軸にした4象限で考えたとき、みんな興味があるけど、知らないことが一番ビジネスになりやすい。観光はそれなんですよね。

石川 確かに、外国人にとって日本という国は、興味はあるけど知らないことだらけでしょう。逆に、日本人にとっても世界は広くて知らないことが多く、現地事情に詳しい『地球の歩き方』は今でもよく売れてますよね。これだけの情報化社会なのに、現地のことは現地の人しかわからないことがまだまだ多い。そこが面白いところですね。具体的にはどんなビジネスを考えていたんでしょう。

佐々木 2013年に旅行から帰って、やりたかったことが2つありました。1つは、東京に安い宿を作りたいということ。今でこそ、民泊ビジネスが始まり、安いホテルも出てきましたが、当時は山谷くらいにしかありませんでした。2つ目は「着地型旅行」と呼んでいるんですが、日本では旅行先に着いてから先のツアーが少ないんです。例えば、タイではバンコクに着いてから、プーケット2泊3日とか、アユタヤ1泊2日といった国内ツアー商品がたくさん売っています。ヨーロッパも同様です。しかし、東京では成田空港でも東京駅でも、英語で国内ツアーを予約できる場所はほとんどありません。

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