石川善樹の「脳とうまく付き合う法」

旅を設計することは、人生を設計することである 訪日外国人向けツアーなどをてがける 佐々木文人氏に聞く

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佐々木 いえ、1年半で部署を変わったので、そうなりませんでした(笑)。でも3年たって、やはり自分のやりたいことにチャレンジするなら今だろうと思い、BCGに移りました。そこで初めて、3年間のサイクルの意味を実感できました。

石川 どんな風にですか?

新婚旅行で1年かけ世界一周

佐々木 文人(ささき ふみと)

佐々木 文人(ささき ふみと)

1983年愛媛県生まれ。東京大学経済学部卒。損害保険ジャパン(現・損害保険ジャパン日本興亜)を経て、ボストン・コンサルティング・グループ入社。4年間の在職中に企業の新規事業開発・営業開発のプロジェクトなどを手掛ける。結婚後に退職し、1年間の世界一周旅行へ。インド、ネパール、オーストラリア、米国のほか、中南米、ヨーロッパ、中東など計36カ国・地域を周遊。帰国後、2014年2月にノットワールドを設立、代表取締役に就任。

佐々木 コンサルって付加価値がなかなか見えにくいんですよ。リーダーに言われたことを一生懸命やって、相手に誠意を見せれば、人間的関係においては「ありがとう」と言ってもらえる。でもどう付加価値を付けられるのかが自分だけではわからないんです。1年目はそんな感じでした。2年目も自分でストーリーが作れるわけじゃなく、人の作ったストーリーに乗って作業をしてるだけ。3年目になって、ようやく顧客の話を聞いたり、データを分析したりして、こういう策をとれば、これだけの価値を出せるだろう、という方法論が見えてきました。

石川 人間関係以外のところで、お金を払ってもらえるようになったわけですね。その後、いよいよ自分で起業するぞ、と思い始めたのは?

佐々木 3年サイクルを一通り経験し、1回辞めてもコンサルには戻れるな、という自信がつきました。30歳までに起業したいというタイムリミットも迫っていたので、思い切って卒業しました。

石川 すぐには起業せず、1年間かけて世界一周したんですよね。しかも、新婚旅行で(笑)。日本人としてはかなり珍しいケースだと思いますが。

佐々木 理由はいろいろあるんですが、1つは学生の頃から、働き出しても家族との時間は大切にしたいと思っていたこと。もう1つは海外に長期滞在したことがないというコンプレックスです。自由な時間を利用して留学するのもいいけど、どうせなら、新婚旅行で世界一周すれば、いろんな場所が見られて、家族との時間も持てていいんじゃないかと思ったんです。

石川 奥さんはすぐに承諾してくれたんですか?

佐々木 付き合い始めて1週間で「結婚したら会社を辞めて、1年かけて世界一周旅行したいんだけどいい?」と聞いたら、すぐ「いいよ」と。

石川 おおー!

佐々木 じゃあ、このまま付き合おうと。退職して起業しても見守ってくれそうかなという気持ちもありました。

石川 僕は常々、人生とはカギが開いている牢屋(ろうや)ではないかと思っているんです。いつでも出られる状態にあるのに、多くの人は出られない、というか出ようとしない。例えば、今この瞬間にパリにいられれば、という人がいる。なぜ自分は東京のビルの中にいるんだろうと嘆く。でも、カギは開いてるんですよ。

佐々木 確かにそうですね。

石川 海外へのコンプレックスがあると、多くの人は英語を勉強しようとします。まずはスキルを磨いてからだと。カギは開いてますから、今すぐ行ってもいいのに、日本人はなぜか段階を踏みたがります。その点、文人君はまず世界に出てみようと思ったところが違いますね。

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