石川善樹の「脳とうまく付き合う法」

これからは、英語より物理を学ぶ時代! 新進気鋭の物理学者、白石直人氏に聞く

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石川 じゃあ、今度は違う話に移って、物理学の研究における「イノベーション」というのはどう考えられるんですか。というのも「業界」としては長くて、ある意味でやり尽くされているところもあると思うんですが。

物理学におけるイノベーション

白石 イノベーションは、そこに問題があることを提起するということですよね。今までにない視点とか気づきといった意味では、例えばカオスの発見はそれに相当するのかもしれません。それまで意識されていなかったけど、言われてみるとカオスというのは至るところにある現象で、そこに着眼したエドワード・ローレンツは高く評価されていますね。

石川 白石君が発見した熱力学の法則もカオス的な着眼点と言えるのでは?

白石 どうでしょうか。コロンブスの卵のような面はありますが、これまでの正統な研究の成果は踏まえていますからね。

石川 なるほど。ちなみに確認だけど、白石君の専門分野は「統計力学」という分野になるんだよね?!

白石 はい、そうです。

石川 その分野では、どんなイノベーションがあったの?

白石 あー、そうですね、「統計力学」の分野では1990年代に、「ゆらぎの定理」とよばれる非常に大きな一連の発見がありました。その中でもクリストファー・ジャルジンスキーという科学者が発見した「ジャルジンスキー等式」は非常に重要です。

石川 へー、どんなアイデアだったの?

白石 専門的になりますが、それらの定理は、「熱的なノイズを受けている小さな物質」を対象としています。そうした物質はノイズによって稀に熱力学第二法則に反するような振る舞いをするのですが、そうした稀にしか起きない現象の出現確率について、きれいな関係式が示されたのです。僕の今回の研究成果もこうした発見の流れに沿ったものです。

石川 なるほどねー。じゃあそろそろ時間なので、最後に聞いてみたいんだけど、白石君はなんでそんなに勉強してるの?!僕もかなり勉強は好きな方ですが、白石君ほどの博覧強記にはなれないなーといつも反省しています(笑)。

白石 そうですか?!(笑)

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