石川善樹の「脳とうまく付き合う法」

これからは、英語より物理を学ぶ時代! 新進気鋭の物理学者、白石直人氏に聞く

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石川 いやー、すごいと思うよ。でも、一方で思うのは、最近は情報量が爆発的に増えているから、余計に本質がわからず、個別の事象に惑わされやすい気もしています。だから、白石君みたいな物理学者に自分の考えをぶつけると、いいディスカッション・パートナーになってくれるかもしれません。たとえば、「渋滞学」で有名な東京大学の西成活裕教授は物理学が専門ですが、企業から困り果てた問題を相談されて、「面白そうだ」と言いながら引き受けて解決しているそうです。

本質に近づくほど、シンプルに美しく

白石 アクセスできる情報は増えていますが、情報を読み解くためには背景の知識が必要ですよね。ニュースで何が起きたかはわかっても、例えばトランプ大統領の何が特殊かを理解するには、これまでのアメリカ政治の「通常の状況」が何かを理解していないといけない。大きな流れや位置づけを理解するには、今こそ幅広い知識が必要ですね。

石川 本質に近づけば近づくほど、シンプルに理解し、美しく表現できるってことですかね。

白石 何を知りたいのか、絞るのは重要ですね。すべての要素を細かく知りたいのであれば詳細な情報を知るしかないけれども、ごく少数の性質だけを見るのならばシンプルに理解できることがある。何を見たいのか、何を捨てられるのかの兼ね合いで、そこは僕も研究で悩むところです。

石川 とりあえずの情報収集はしないということですね。それで思い出しましたが、「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」の業績を劇的に回復させた森岡毅氏と今西聖貴氏が書いた『確率思考の戦略論』(KADOKAWA)という本が面白いんです。「ディリクレ分布」や「負の二項分布」という確率論などを使って、勝つための戦略論としての「数学マーケティング」を提唱している。ビジネスの世界でも、数学や物理の考え方からインスピレーションを得て、自分の仕事に生かすといった時代が来ているんじゃないかと思いましたね。

白石 応用するのはなかなか難しいですが、視点としてはありかなと思います。

石川 そう考えると、これからの時代は「英語」ではなく、「物理」かもしれませんね。それこそ、「ジャルジンスキー等式」から新たなビジネス・アイデアが生まれるかもしれません(笑)。

白石 そうなったら面白いですね(笑)。

石川 今日はありがとうございました!

白石 はい、僕もとても楽しかったです!

キーワード:経営、企画、経営層、管理職、プレーヤー、イノベーション、人事、人材、働き方改革

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