石川善樹の「脳とうまく付き合う法」

暇はないが退屈な現代人のためのゲームとは ゲーム開発会社flaggs代表取締役の吉江直人氏に聞く

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 予防医学者の石川善樹氏がさまざまな分野のエキスパートと対談しながら、脳とうまく付き合う方法を探る連載シリーズ。第9回のお相手はゲーム開発を手掛けるflaggs(フラッグス)代表取締役の吉江直人氏です。ディー・エヌ・エー(DeNA)時代にモバイルゲームの開発で実績を上げ、昨年3月に独立起業した新進気鋭の経営者です。ソーシャルゲームはなぜ人の心をとらえるのか、ゲームは人間の生活を豊かにしているのか、ゲーム市場はどこに向かうのか――。開発の最前線に立つ吉江氏に、高校と大学の先輩でもある石川氏が鋭く迫りました。

DeNAを辞めてゲーム会社立ち上げ

石川 善樹氏(いしかわ よしき)

石川 善樹氏(いしかわ よしき)

1981年広島県生まれ。東京大学医学部健康科学科卒業後、ハーバード大学公衆衛生大学院修了。「人がより良く生きるとは何か」をテーマとして学際的な研究を行う。専門分野は、予防医学、行動科学、計算創造学、マーケティング、データ解析等。講演や、雑誌、テレビへの出演も多数。NHK「NEWS WEB」第3期ネットナビゲーター。著書に『疲れない脳をつくる生活習慣』(プレジデント社)、『最後のダイエット』『友だちの数で寿命はきまる』(ともにマガジンハウス)など。

石川 吉江君とは大学の部活(ラクロス部)が一緒でよく話をするんですが、小さい頃から独立心が旺盛だったとか。「吉江を一言で表すと『反抗する男』です」という友人もいたよね(笑)。

吉江 それは言い過ぎですけど(笑)、確かにそういう面はありました。たとえば、ミニカーを何十台も並べるのを、母親が少し手伝っただけで気にくわなくなり、初めからやり直すような子供でした。

石川 そういう一面が、DeNAを辞めて独立したことにも影響してる?

吉江 そうかもしれません。といっても、反抗してたわけじゃないですよ(笑)。やめた当時より、今のほうが遥かにDeNAという会社をリスペクトしてますし、5年間本当にたくさんの経験を積ませていただきました。ただ、もっと少人数でやりたいと思ったんです。大企業にいると、自分自身のチャレンジってどこからなのか、あいまいなんですね。大企業の看板と人材とカネってどれだけすごいのか、ビジネス上、どれだけ重要なことなのか、疑問に思ったわけです。

石川 うかつに「みこしに乗ってなるものか」という感じ。

吉江 そうですね。「こうやりなさい」と言われても、自分で1回やってみて失敗しないと気が済まない、というか、身に付かない。ただ、独立してみて、少し意識が変わった面もあります。有限の時間のなかで、何を参考にして、何を自分でやるべきか、深く考えるようになりました。

石川 ほー、そうなんだ。

吉江 学校の勉強とかスポーツって、決められた土俵でどれだけがんばれるか、ある種のストレス耐性が求められるじゃないですか。DeNA時代も、ソーシャルゲームの波がドーンと来て、どれだけ効率よく、いい作品を出せるか、一定のルールの中でどう勝負するかっていうことだけを考えていました。でも独立してみて、その土俵以外の領域もすごく広いと気づいた。水中でどれだけ息を止められるか、みたいな感覚だけでは続かないなと。

石川 なるほど。今までは、どうしてこういうルールがあるのか、そういうところが気になっていたんだよね。

吉江 ええ。自分で息を止めてやってみて死にそうになった。そこで、やっと腑に落ちた。今は、大企業ってやっぱりすごいんだなと思ってます(笑)。

石川 よくできてるんだなと(笑)。

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