石川善樹の「脳とうまく付き合う法」

「ラタトゥイユ」から世界が見える! フレンチシェフの松嶋啓介氏に聞く

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 予防医学者の石川善樹氏がさまざまな分野のエキスパートと対談しながら、脳とうまく付き合う方法を探る連載シリーズ。第8回はフレンチシェフの松嶋啓介氏がお相手です。南フランスのニースと東京・原宿でレストラン「Keisuke Matsushima」を運営する経営者でもある松嶋氏。今回はニースの代表的な郷土料理「ラタトゥイユ(野菜の煮込み)」を調理していただきながら、食と健康、歴史、文化、そしてイノベーションまで幅広く語っていただく、ぜいたくな対談となりました。ラタトゥイユのおいしい料理法とあわせてお読みください。

料理する男が社会を変える

石川 善樹氏(いしかわ よしき)

石川 善樹氏(いしかわ よしき)

1981年広島県生まれ。東京大学医学部健康科学科卒業後、ハーバード大学公衆衛生大学院修了。「人がより良く生きるとは何か」をテーマとして学際的な研究を行う。専門分野は、予防医学、行動科学、計算創造学、マーケティング、データ解析等。講演や、雑誌、テレビへの出演も多数。NHK「NEWS WEB」第3期ネットナビゲーター。著書に『疲れない脳をつくる生活習慣』(プレジデント社)、『最後のダイエット』『友だちの数で寿命はきまる』(ともにマガジンハウス)など。

石川 僕は啓介さんの料理教室に通い始めて、ラタトゥイユの味に感動したんですね。そこで、今日は特別に調理しながらの対談をお願いし、快諾していただきました。まずは、最近、料理を教わる男性が増えているという話題から。

松嶋 大体、パパになったのを機に始める人が多いですね。特に女の子。うちも13歳の娘がいるんですが、いまも仲が良くて周りから「どうしてそんなに仲がいいの」と聞かれます。一緒に市場へ行って、買い物して、料理してるからじゃないの、と答えると羨ましがられますね。どんなに仕事ができて、お金を稼いでも、娘が10歳になって「パパきらい!」と言われたら、あなたの人生崩壊しますよ、と言ったら、みんな目の色変えて料理を習いに来ますよ(笑)。

石川 そうなると、仕事に逃げるしかなくなりますもんね(笑)。

松嶋 あと、奥さんが疲れたときにホッとする味の料理を作ってあげられるようになりたいよね。もう、ゴミ捨てしかできないパパの時代は終わりにしよう、そうしたら社会が変わるよ、という話をすると、けっこう賛同してくれる人は多い。パパだって料理できるんだぜって。実際、習った料理を家で作りました!って、皆さん、すごく力の入ったレポートを送ってくれますよ。

石川 この間の教室にもパパと娘さんが来ていて、すごい光景がありましたよね。その娘さんは「野菜は嫌い!」と言ってたのにラタトゥイユをおかわりしてましたよね。健康の観点からも野菜はいいんですが、そのまま食べるとおいしくない。油と糖にまみれた食品に比べると「おいしさ」では負けてしまうんです。ラタトゥイユは本当に野菜をおいしく食べられる調理法なんですね。

松嶋 ラタトゥイユはディズニーのアニメ「レミ―のおいしいレストラン」にも出てきます。そもそも、この映画の原題は「Ratatouille(ラタトゥイユ)」なんですよ。主人公のネズミのratと掛けてるわけです。

石川 そういう「うんちく」を家で奥さんに話そうとすると「いいから作って」と言われて終わるんですよね(笑)。

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