グローバル競争を勝ち抜く組織・人事

議論は尽くした、女性活躍推進へ行動のとき 米マーサー シニア・パートナー、マルチナショナル・クライアント・グループ・グローバルリーダー パトリシア・ミリガン氏

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 ですから私はいま、部下の女性ときちんと話し合うことを心掛けています。例えば、あるポジションを提示された時期に育児との両立が難しくても、単純にあきらめるのでなく、例えば勤務時間を60~80%にして働き、5年後に子育てが一段落したら、ちゃんと元の勤務時間で働くことを約束する、といった話し合いを持つようにします。

2月24日、東京都内で開いたマーサー主催シンポジウムで講演するミリガン氏

2月24日、東京都内で開いたマーサー主催シンポジウムで講演するミリガン氏

 マーサーでは会社全体としても「Women@Mercer」と呼ぶプログラムを設け、活躍する女性をロールモデルとして紹介する取り組みに力を入れています。子育てのために一時的に休職し、数年後に復帰することをむしろ推奨し、女性が自分の要望を会社に伝えていけるようフォローします。女性の能力を最大限発揮できるよう最善を尽くすのが、偉大な企業なのではないでしょうか。

登用の遅れが競争力を低下させる

――出産・育児休業制度の充実や時短の促進など、様々な施策が進められていますが、日本で女性が活躍するには、何が最も有効でしょう。

 日本は政府の施策や企業の自主的な取り組みなど、必要な手立てはそろっていると思います。しかし、そうした施策が正しいとしても、社会がニーズとしてそれらを受け止めない限り、成果をあげるのは難しいのではないでしょうか。先ほども申したように、女性が社会に進出していくことへの偏見、あるいは女性自身が罪の意識を持ってしまう。こうした社会的、心理的な不文律のブロックや、人々の心の中のバリアをどう外すかということが、どんな施策よりも大事ではないかと思います。

 私が危機感を抱いているのは、女性の登用が遅れることによる日本経済へのインパクトです。マーサーのグループ会社であるNERAエコノミックコンサルティングは、日本はこのまま女性の社会進出が進まなければ、労働力の高齢化によって競争力を失いかねない、との調査をまとめています。女性の労働力の取り込み、登用が喫緊の課題だといえます。

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