グローバル競争を勝ち抜く組織・人事

議論は尽くした、女性活躍推進へ行動のとき 米マーサー シニア・パートナー、マルチナショナル・クライアント・グループ・グローバルリーダー パトリシア・ミリガン氏

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 日本でも女性が経営リーダーとして、目に見える形で女性の登用を訴えていくようになれば、変わってくるのではないでしょうか。安倍首相も「一億総活躍社会」を政策に掲げ、女性の登用を積極的に進めようとしています。これが個人としての思いからきているのかどうかはわかりませんが、どこまで政策を浸透させることができるか、興味深く見守っています。

日本に残る心理的な壁

――日本は欧米に比べ、女性の社会進出が遅れているといわれます。女性がトップに立つから社会の意識が変わるのか、それとも社会の意識が先にあって女性の登用が進むのか、どちらだと思われますか。

 日本と欧米では女性の社会進出に対する社会の見方が異なるように思います。欧米では夫婦あるいは男女の間で、どんな家族のあり方が望ましいか、きちんと話し合う習慣があります。個人的な話ですが、私は著名なロースクール、そしてビジネススクールに進み、そこで夫と出会い、2人とも企業に勤め始めました。

 5年ほどたって、夫は企業組織で働くことに違和感を感じ、私のほうが企業で働くことに向いていることがわかってきた。当時、すでに2人の息子がおり、これからのことについて時間をかけて話し合いました。その結果、私は企業に残り、夫は起業することにしました。夫のほうが柔軟に時間を取りやすくなるので、子育ては夫が中心に担当するようにしました。

 こうした夫婦のあり方は米国では一般的で、男性が企業勤めをしていなくても、変な風に見られることはありません。私たちも息子2人はきちんと育って大学も出ており、それは夫のおかげで感謝していますし、私自身も悪いことをしたとは思っていません。

 一方、日本では男性が企業で働いていないと、社会的に一段低く見られるようなところがあるように見えます。女性の心の中にも、自分が働いていることへの罪悪感があるのではないかと心配しています。そうではなくて、男性は企業で働かなくても十分に尊敬され、女性は悪いことをしているという気持ちを持たずに働ける。そうした環境を作ることが重要ではないでしょうか。

――ご自身も企業で働く中で、(女性の進出を妨げる)「ガラスの天井」の存在を感じてこられたことと思います。どう乗り越えてこられたのでしょう。

 勇気を持って声を出すことが大事です。ほかの人が言ってくれるのを待つのでなく、自分から、どういう仕事をしたいと声に出して言うことです。一方、受け止める側の問題もあります。よく「女性は野心がない」と言われますが、果たしてそうでしょうか。本当は仕事がしたいと思っていても、誰も守ってくれないのではないか、という恐怖心があるから言えないだけではないでしょうか。

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