グローバル競争を勝ち抜く組織・人事

アローラ氏「巨額報酬」は他人事じゃない マーサージャパン 井上康晴氏、野村有司氏

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――6月1日には企業統治指針(コーポレートガバナンス・コード)が導入されるなど、日本企業のガバナンスが大きく変わろうとしています。

井上 康晴(いのうえ・やすはる) マーサージャパン 組織・人事変革コンサルティング シニアコンサルタント

井上 康晴(いのうえ・やすはる)

マーサージャパン 組織・人事変革コンサルティング シニアコンサルタント

国内大手鉄鋼会社(人事/労務、営業企画)、外資コンサルティングファームを経て現職。多業種にわたる組織・人事戦略の策定・導入、役員報酬・コーポレートガバナンスの設計、組織・人事制度設計と運用サポート、グループ人材マネジメント、チェンジマネジメント、タレントマネジメント、人材アセスメント、ダウンサイジング、教育体系の設計など、多岐に渡るプロジェクトの経験を持つ。名古屋大学経済学部卒業。

井上 2014年以降、大きな動きが相次いだ。ガバナンス・コード以外にも改正会社法の成立、スチュワードシップ・コードの策定、伊藤レポートの発表などがあった。共通するのは企業統治の仕組みをいかに透明性あるものに移行していくか、そして社外への説明責任をどう果たしていくかという点だ。

企業統治は「1丁目1番地」

 背景には安倍政権の経済再生への強い思いがある。2014年6月に改訂された日本再興戦略では冒頭で「日本の稼ぐ力を取り戻す」とうたい、コーポレートガバナンスはまさに政策の1丁目1番地と位置づけられた。アベノミクスの3本の矢のうち、1本目の金融政策、2本目の財政政策には限界がある。国のお金に頼らずに成長を持続するには、3本目の矢の中心として、民間企業の活力が不可欠となる。

 企業価値を上げるには国内外から日本に投資してもらい、株価を上げていく必要がある。それは、ひとえに日本企業が投資家から見て信頼感のある存在になれるかにかかっている。企業がガバナンスを高め、説明責任を果たす必要がある理由はここにある。こうした流れは一過性でなく、ますます強まっていくだろう。アローラ氏のケースはどの日本企業にとっても他人事ではない。

――ガバナンスは従来、人事組織や収益力の観点で語られることが多かったのですが、報酬制度とはどう関連してくるのでしょうか。

井上 ガバナンス・コードの補充原則4-2(1)には「中長期的な業績と連動する報酬の割合や、現金報酬と自社株報酬との割合を適切に設定すべきである」と明確にうたってある。つまり、ストックオプション(新株予約権)など、中長期のインセンティブの割合を高めよという意味だ。国内外の投資家と利害を共有し、「株主と経営者が同じ船に乗っている」と思ってもらうことで、より信頼ある存在となるよう改革を促している。

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