グローバル競争を勝ち抜く組織・人事

アローラ氏「巨額報酬」は他人事じゃない マーサージャパン 井上康晴氏、野村有司氏

記事保存

日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。

 日本企業の活動がグローバル化するのに伴い、経営目標を達成するための人材育成や報酬のあり方、組織運営といった課題が重要性を増している。グローバル経営を加速し、成長を実現するには何が必要か。組織・人事コンサルティングで世界大手のマーサーの日本法人、マーサージャパンのコンサルタントがテーマごとに解説する。

 1回目はガバナンス改革が進む中で、「役員報酬」はどうあるべきか。組織・人事コンサルティング シニアコンサルタントの井上康晴氏と、インフォメーション・ソリューションズ プリンシパルの野村有司氏に聞いた。(文中敬称略)

――株主総会の開催がピークを迎え、今年は例年になく、役員報酬に注目が集まっています。中でもソフトバンクの副社長に就いたニケシュ・アローラ氏の165.5億円という巨額の報酬には驚かされました。

野村 他社から上級経営幹部を招く際には、前職時代に支給されていた権利未確定の株式報酬や繰延報酬に相当する金額を「サインオン・ボーナス(契約時報酬)」に上乗せして支給することが一般的だ。このため、当該年度の報酬額が巨額となるケースは多い。

アローラ氏の報酬は「異例」

 米グーグルのシニアバイスプレジデントだったアローラ氏は、グーグル時代に付与されていた権利未確定の株式報酬や繰延報酬があった可能性が高く、165.5億円という巨額な報酬のうち、大部分がこうした前職時代の報酬の補填だと思われる。

 一方、今回のケースで特徴的なのは、165.5億円のうち、大半の145億円余りが短期報酬として現金で支給され、株式報酬が約20億円と少額なことだろう。

 通常、上述の契約時報酬は、リテンション(引き留め)効果を期待して大半が一定の権利確定期間等の条件を付けた株式報酬で支給されることが一般的であり、現金で支給される(払い切りになる)ケースは少ない。

 現金報酬に対して何らかの返還条項がついていない限り、万が一、短期間で自主退職した場合には会社側にとって過大な報酬支給となるリスクをはらんでいる。結果として妥当な水準となるのかどうか、経営手腕とともに在任期間にも注目したい。

閲覧履歴

    クリッピングした記事

    会員登録後、気になる記事をクリッピングできます。