経営トップのための"法律オンチ"脱却講座

ケース25:危ない会社の窮状につけ込んで、うまいこと乗っ取れ! 弁護士・ニューヨーク州弁護士 畑中 鉄丸 氏

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引きずり回してヘトヘトにさせる

 まず、「死に体の」会社から「2億円貸してくれ」と言われて、要求された支援額を額面どおり、そのまま用意して貸す、なんて考えは甘すぎます。

 「必要な事業資金2億円」なんていう、アバウトな話を鵜呑みにせず、当該金額の中身や明細を全部明らかにしてもらいましょう。

 この中身や明細を、鵜の目鷹の目でつつきまくると、本当に必要なのは1億円以下になったりすることもあります。さらにその必要な資金の中に、過大な経費や冗費の類、不要不急の支払いや、「経営責任を痛感して、道義上、無報酬で働いてもらうべき役員」の報酬支払いのための原資といった「ナメ腐った支出目的」もあったりするかもしれません。

 この種のものは、すべて除外し、「カツカツで生き残るために、マジで、リアルで、ガチに絶対必要な、絞りに絞った最小資金」を算出します。

 この段階で、相手の会社が「そんなに厳しいことを言われるなら結構」といって立ち去るなら、そのまま立ち去らせればいいだけです。

 他人に伏して救済を求めながら、不合理で生意気なことを言うような相手に対しては、指一本動かす必要などありませんから。

 さらに、仮に、こうやって算定した「延命のために月内にガチで必要になる、正味でギリの事業資金の総額」が4000万円だとしても、これを全額渡すような真似をしてはいけません。

 支払い管理は、債権者である菅野さんにおいてするべきです。

 というのは、調理スタッフや食材調達のための資金として提供したはずなのに、知らない間に、別の債権者やあるいは役員報酬に使われて、食材調達のためにまた別途無心に来る、なんてこと、よくある話ですから。

 貧すれば鈍す、という諺がありますが、カネでトラブルを抱えて切羽詰まった人間の約束など、鵜呑みにすると、痛い目に遭いかねません。

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