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ケース23:独禁法違反? はぁ? 意味わかんねーわ 弁護士・ニューヨーク州弁護士 畑中 鉄丸 氏

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 この事件は、「倉庫を改装した激安販売店舗に会員として囲い込んだ顧客を誘引するという、画期的な安売りビジネスモデルで著名な外資系の会員制量販店C」が中部空港の近くでガソリンスタンドを開店したことをきっかけに、競合の地元大手Uオイルも安売り競争に参戦し、Cは会員価格で1リットル当たり87円、Uオイルは85円台に下げるといった強者二社競争が展開されました。

 結果、ワリを食ってすっかり客足がなくなったのが、120円程度で売っている周辺のガソリンスタンドです。これら零細事業者の営業が困難になったことで、公正取引委員会が出張る騒ぎになった、ということです。

「不当廉売」に該当しない場合

 とはいえ、独禁法上禁止されるのは、あくまで「不当」な廉売ですので、「正当」な廉売や、「不当とは言えない」廉売であれば、おとがめを受ける可能性は少なくなります。

 取得原価を下回る対価での販売(「原価割れ販売」)は不当廉売行為に該当する可能性が高いと言えますが、原価割れ販売がすべて違法というわけではなく、一定の状況であれば、例外的に不当廉売に該当しないと、解釈される場合があります。

 市価が相当下がってしまった場合の値引き販売、季節遅れ商品や流行遅れ商品のバーゲンセールなど商習慣上妥当と認められる場合には、期間や対象商品が一定であり、公正な競争への影響が小さいといった付加的事情なども勘案し、廉売は廉売でも「不当」廉売ではない、とされる場合があります。

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